この記事をまとめると
■納期遅延がアナウンスされている人気モデルの納期はどうなったかを再度確認
■半導体や各種パーツの不足で国産車の納期遅延はまったく解消していない
■輸入車の状況はさらに深刻で新型車でも納車時期を約束できないモデルもある
半導体やパーツ不足で納期遅延回復の見込みはまったく見えない
今は新型コロナウイルスの影響による半導体、ワイヤーハーネスなど各種パーツの供給不足により、新車の納期が全般的に遅れている。とくに深刻なのが、もともとの供給体制が受注台数に対して不足している車種だ。
筆頭に挙げられるのはランドクルーザーで、販売店は以下のように述べた。「メーカーのホームページには、納期は2年以上とされるが、実際はさらに長い。受注は可能だが、納期に関して返答はできず、3年から5年を要する可能性も高い」。
この点を開発者にも尋ねた。「ランドクルーザーは生産総数の内、約50%を中東地域で売る。ロシアとオーストラリアも合計すると約40%だ。残りの10%を日本も含めたそのほかの国や地域で分け合うから、供給規模が小さい。しかも今は中東地域でも受注が伸びているから、日本の納期は極端に長引いている」。
ジムニーも納期が長い。2018年の発売以来、納期は一貫して約1年を要する。ちなみにジムニーの届け出台数は、2018年の発売直後は1カ月平均で約1900台だったが、2021年1〜10月の平均はコロナ禍の影響を受けながらも3000台を超える。つまり、発売当初に比べると増産しているが、それでも納期は縮まらない。
販売店では、「ジムニーの人気は根強く、以前に比べると1カ月当たりの届け出台数を増やしているのに、納期は全然縮まらない。次々と注文をいただいている状態だ」という。
ヴェゼルも納期が長い。販売店によると「e:HEV Zは5〜6カ月。最上級のPLaYは納期が1年に達したので、今はメーカーへの発注を中断している」という。
納期が遅びた理由も尋ねた。「コロナ禍の影響もあるが、ここまで売れ行きが増えることをメーカーが予想できなかった。とくにPLaYは人気が高い。また、ヴェゼルの生産を鈴鹿製作所に移したことも、納期が延びている理由だと思う」。
以前のヴェゼルは狭山工場で生産されていたが、この工場は2021年度末に閉鎖される。そこでステップワゴンは寄居工場に移すが、ヴェゼルはすでに鈴鹿製作所で生産を行っている。
ただし鈴鹿では、N-BOXを始めとする軽自動車のNシリーズやフィットも生産され、以前から過密な状態にあった。そこにヴェゼルまで加えたから、納期が遅延していると販売店は見ている。