この記事をまとめると
■ガソリンはクルマを放置してもほとんど減らない
■対して電気自動車のバッテリー内の電力は長期間乗らずにいると減ってしまう
■これには自然放電に加え、いくつかの理由がある
自然放電以外にも理由がある!
ガソリンで動くエンジンを搭載している車両と電気を使って動く電気自動車。そもそもの動力の源が異なる2車であるが、長期間乗らないでいると、その動力の源はどんな変化をするのだろうか?
そもそもガソリンは非常に揮発性の高い物質であり、一説には給油中の短時間でも0.1~0.2%ほどのガソリンが気化しているとも言われているほど。
しかし、ガソリンタンク自体は密閉されているため、長期間乗らない状態が続いても明らかにタンク内のガソリンの量が減るということはないというのが現実だ。
一方の電気自動車は、長期間充電せずに放置しておくとバッテリー内の電力は徐々に減少してしまう。これは一般的な電池でも起こる自然放電も影響しているのだが、それ以外にも大きな理由がある。
たとえばテスラなどの電気自動車には、寒い時期でもバッテリーの温度を適正値に保つ「プレコンディショニング」という機能がある。これは毎日同じ時間に通勤するようなユーザーのために、スケジューリングをすることもできるのだが、これをOFFにしていなければたとえ乗ることがなくても毎日同じ時間に合わせてバッテリーの温度を適正化する動作をしてしまうのだ。
また日産リーフでは、補機バッテリーである12Vバッテリー上がりを防ぐために、12Vバッテリーに5日間以上充電されない状況が続くと自動的に駆動用バッテリーから12Vバッテリーへの充電がなされるという制御も備わっている。
ほかにもスマホのアプリを使用してリモートで車両状態のチェックやエアコンの作動などができる車両についても、そのリモートのリクエストを受信するための待機電力が必要となるため、ごくわずかではあるが駆動用バッテリーの電力を使用しているというワケなのだ。
このあたりの装備は車種によって異なっているが、上級車種ほどさまざまな装備が備わっていることが多いため、乗らない状態で使用される電力量も多くなる傾向がある。
その消費量は微々たるもので、1カ月程度乗らないだけであれば走行できなくなるレベルまで減少することはないが、長期間乗らないことが決まっているのであれば、事前に充電を済ませておくか、普通充電ケーブルを接続した状態をキープするのがいいだろう。