部品不足でクルマが作れない! 厳すぎる10月の新車販売台数は「メーカーの差」がクッキリ (2/2ページ)

一強トヨタとダイハツが大打撃を受けた

 ブランド別で見ると、登録車、軽自動車ともに速報値とはなるが、置かれている状況の違いがはっきりしている。登録車では”一強”とも言われているトヨタが前年同月比で55.2%と苦戦傾向が目立っている。そのほかではホンダが99.2%、日産89.2%、スバル97.2%、スズキ96.7%、三菱に至っては134.0%となっている。一方でダイハツは29.2%となっているが、これはロッキーがすでに一部改良を控えてオーダーストップとなっていたことが響いているようだ。

 前年同月といえば、すでにコロナ禍となっていたのだが、それでも新車販売全体の回復は早く、そのなかでも”一強”として販売台数を積み上げていたトヨタの状況が、統計からはより深刻なもののように伝わってくる。

 軽自動車では軽四輪車総台数で見ると、ダイハツがスズキに5000台ほど差をつけられ2位になっている。かねがねダイハツは、今回のサプライチェーン混乱の影響が大きいとされている。ホンダも前年同月比50.1%と苦しんでいる。逆に日産は105.5%、三菱は93.0%となっているので、日産と三菱は影響をほとんど受けていない様子が伝わってくる。事実、日産系ディーラーへ行くと、「ウチは極端な納期遅延は発生していない」とセールススタッフが話してくれた。

 軽四輪乗用車ではスズキがダイハツに約9000台差をつけてトップとなっており、ダイハツがサプライチェーンの混乱の影響をより強く受けている様子がわかる。

 前述したように、年内いっぱいはまず改善されることは期待できないので、11月も深刻な統計数値となりそうだ。12月は暦年末となるので、それぞれのメーカーがどれだけ底力を発揮して販売台数を積み上げるかが注目の的となるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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