これから旧車に加わるクルマは電子制御が鬼門
理由3 電子部品の故障
理由1と2はすでに問題になっていることで、想像つくことでもある。理由3は一部で頭を抱え始めているが、これから大きな問題になってくる、電子部品の修理だ。旧車というのは当然だが、時代とともに対応車種もスライドしていく。旧車に対して、ヤングタイマーやネオヒストリックが出てきたのがいい例で、現状でいうと1980年代、そして1990年代もだんだんと旧車扱いされるようになってきている。
この年代の鬼門が電子制御で、1980年代はいわゆるマイコンのハシリ。その後もどんどんと採用が広がっていくが、これらが今、少しずつ故障やトラブルが発生し始めている。シンプルながらもコンピュータだけに、メカニカルパーツのように20年や30年以上も使い続けられるわけはないのだが、いずれにしてもどう直すかが大問題だったりする。
基盤のハンダ剥がれやコンデンサーの液漏れなら直せることはけっこうあるが、基盤ごと燃えたり、半導体やコンデンサーなどがすでに手に入らないこともあるし、メーカーによっては専用部品を使っていて、そもそも汎用品には適合するものがなかったりする。もちろん部品があったとしても、原因を探って修理するのはノウハウも技術も高いレベルが必要だ。自動車メーカーが復刻してくれればいいが、電子部品はなかなか難しい。
以上の3つがレストアがなくなる理由で、とくに深刻なのが3つめだ。バイクでも同様なことが起こっていて、修理不可で廃車になる例も出てきている。電気自動車の時代が到来するかという流れ自体、レストアを許してくれないかもしれない。新型車を見るにつけ、「これをレストアする時代がくるのか?」と思うのだが、実際は来なくても不思議ではないだろう。