輸入車は“3ケタ万円引き”も珍しくない
輸入車はモデルイヤー制をとっており、毎年小改良を実施する。そのため、イヤー変更が行われるタイミングで、国内で少々根っこ(長期在庫化)が生えそうな在庫車については、モデルにもよるが“3ケタ万円(百万円台)引き”も珍しくない。売れる、売れないに関係なく定期的に生産工場から海を渡り日本へ新車が陸揚げされてくる。
話を聞いた限りでは、インポーターからはリクエスト程度の希望しか出せず、どんな車両を船に載せるかは、ヘッドクォーターが決めるとのこと。そのため、同じ車種でも売れ筋のボディカラーとグレードもあれば、廉価仕様やオプションテンコ盛りなど、売りにくいモデルも出荷されてくる。人気の高いモデルはだいたい海上輸送中に売り先が決まるようで、日本にそのまま在庫として陸揚げされる車両は長期在庫になりやすいものが多いようだ。
事情通氏は「“反社会的勢力”と呼ばれるみなさんは、いまは新車購入すること自体当局の監視もあり大変なのですが、値引きなしで新車を購入すると聞きました。資金洗浄を兼ねていることもその理由にあるようですが、“顔で商売する”世界でもあるので、新車を値引きして購入することは“恥”でもあるそうだとのことです。ある時、反社会的勢力とされるお客の事務所へ正式な注文書を仕上げに、あるセールスマンが向かったそうです。組長さんが不在だったそうで、幹部の方が応対してくれたのですが、その時『少し値引きしてくれ』と言ってきたそうです。そこで値引きした注文書を置いて、次の得意先へ向かう途中に組長から戻ってきて欲しいと連絡があったので事務所に戻ると、『値引きなしの注文書に書き換えて欲しい』と組長に言われたそうです。えっ、値引き要求した幹部の方がどうなったかですって? それはノーコメントでお願いします」と話してくれた。
新車販売での値引きは常態化しているようにも見えるが、さまざまな理由から値引きをしないで購入する人もいる。しかも、誰でも一律に同一車種ならば値引き額が提示されるわけでもない。そのため、面倒なことになるが、情報収集など、希望購入条件獲得のための事前準備というものが必要となってくる。ノープランでぶっつけ勝負では、なかなか思ったような値引きを獲得するのは難しいのが現状といえるだろう。