この記事をまとめると
■質感という言葉は手触りや見た目の高級感を指していることが多い
■数値化・定量化し難い「人の感覚」で判断される主観的な領域の商品性が「質感」だ
■質感が高いかそうでないかではなく感性にあった質感のモデルを選ぶことが重要
一般的には手触りや見た目の高級感を指す時に使われる
「いいクルマ」が1台だけとはならず、さまざまなモデルがそれぞれのファンに高く評価される。なぜ最高のクルマという理想形が生まれ難いかといえば、クルマの評価軸というのは数多あるからだ。その中には環境性能とパフォーマンスのように相反する要素もある。
燃費や加速といった性能であれば数値化してフラットに評価することもできるが、スタイリングやインテリアの仕上げなど、非常に個人的な趣向によって評価が二分する要素もある。たとえば、レーシーなそれをいいと言う人もいれば、ラグジュアリーであることを良しとする人もいる。
そうした曖昧な評価軸のひとつに「質感」がある。
クルマ好きが勝手に使う言葉ではなく、自動車メーカーがフルモデルチェンジを発表する際に、「従来モデルより質感を上げています」といった表現を使うこともあるほど広まっている用語といえるが、はたして「質感」という言葉はどのような要素を指しているのだろうか。
質感という言葉が多く使われるのはインテリアだ。インパネの質感を上げた、シートの質感を向上させた、といったうたい文句は定番で、見覚えがあるだろう。
この場合、質感という言葉は、手触りや見た目の高級感を指していることが多い。
具体的には、樹脂インパネの表面にシボ加工をすることやソフトパッドを貼ることでプラスチックの安っぽい感触を改善していることを示している。