この記事をまとめると
■トヨタが新型BEVを2022年に投入
■プラットフォームなどをスバルと共同開発
■異形ステアリングの採用などトヨタ初となる試みが数多く採用されている
目指したのは「beyond Zero(ゼロを超えた価値)」
プリウスやアクアを筆頭としたハイブリッド車両のほか、MIRAIの水素を使ったFCEV、レースの現場で絶賛活躍中の水素エンジンを搭載したカローラスポーツなど、カーボンニュートラルへ向けた活動も活発なトヨタが、同社初となるBEV専用のプラットフォームを株式会社SUBARUと共同開発し、それを利用したSUVタイプのBEVとしてbZシリーズの第一弾「bz4X」を2022年年央より世界各地で発売すると発表した。
BEVだからと走りを諦めるユーザーをなくすために、1台のクルマとして魅力のある、滑らかで意のままになる走行性能と本格SUVとしての走破性を、低重心・高剛性化したプラットフォームの採用により実現。
また、冬場の航続距離の確保や、世界トップレベルの電池容量維持率(10年後90%)を目標とし、より安全に長い期間使えるBEVを目指して開発されている。安全面でも、電池自体の高度な安全性を追求しているほか、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の採用や、全方位衝突に対応するボディ構造、衝突時の保護性能確保に寄与する電池パックの採用、非伝導性冷却水の採用など、万が一に備えて万全の安全対策を設計時から織り込んでいる点も注目だ。
bzシリーズの導入に関しては、以下4つの目標を掲げて開発が進められている。
1:You & Others ヒトとヒト
快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供
2:You & Your Car ヒトとクルマ
BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供
3:You & the Environment ヒトと地球
CO2排出量など、マイナスを減らすだけではなくプラスを生み出す
4:You & Society ヒトと社会
安心・安全な社会づくりへの貢献
今回発表された「bz4X」は、TOYOTA bZシリーズ第一弾となるミディアムセグメントSUV型BEVという位置付けで、今後、今回開発されたプラットフォームをベースにさまざまなボディタイプのbzシリーズを展開していくこともあわせて発表された。応用の利きやすいプラットフォームの恩恵を、ミニバンやスポーツカー、コンパクトカーなど、さまざまな新型BEVにもたらすだろう。
BEVならではの静かで快適な車内空間を実現するというbz4Xは、Dセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1000mmを確保し、足元の広さも、前後ともミディアムセグメントSUVクラストップレベルになると同時に、低い位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により解放感を創出し、落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネルを用意するなど、自宅にいるような雰囲気に仕立てられているのも大きなポイントだ。
ただ走りが楽しいSUVというよりは、搭乗する人すべてが快適に過ごせるという新たな領域への挑戦でもある。
また、EVには厳しい冬季の使用も考慮し、ヒートポンプ式エアコンや、シートヒーター、ステアリングヒーター、トヨタ初となる前席乗員足元の輻射ヒーターなどの装備も見逃せないポイントだ。
EVの課題である充電時間も短くなるように設計されており、世界各地域の高出力充電にも対応している(DC急速充電では150kWに対応、30分で充電量80%まで充電可能)。