この記事をまとめると
■日本で見かけることはほぼないが欧州や東南アジアには現地の自動車ブランドがある
■セアトとシュコダはフォルクスワーゲングループでダチアはルノー傘下
■マレーシアの国内シェアトップはプロデュアでそれに続くのはプロトン
日本に正規輸入されていないだけで現地ではお馴染み
海外に旅行や出張で行って街中でクルマを見て「あれ? これって、どこのメーカー?」と思うことが、珍しくないのではないだろうか。
日本にいれば、クルマといえば、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱、スズキ、ダイハツといった日系メーカーが主体で、そこにメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン/アウディといったドイツ御三家が加わるというのが業界図式だ。また、最近はジープやシトロエンなど、少し前までマイナーだったメーカーも、時代の変化とともに人気が上がっている。
そんな状況の日本では誰も知らないような、それでも海外ではメジャーな自動車メーカーがいくつかある。
まずは、スペインのセアトだ。バルセロナの古い町中で数多く走っているのは当然だが、近年では欧州全土でもよく見かけるようになった。90年代にフォルクスワーゲンに買収されたことで、ゴルフなどフォルクスワーゲンの主要モデルと車体やエンジンを共有するモデルが多い。価格帯はフォルクスワーゲンよりも少し抑えめである。
同じく、フォルクスワーゲン傘下のメーカーとしては、チェコのシュコダがある。チェコと聞いても日本人にとってはあまり馴染みのない国だろう。ドイツに近く、物価が安いことから、90年代からドイツメーカーの部品関連工場などが進出していった。そうした流れの中で、シュコダもフォルクスワーゲンに買収された。
実際、チェコでシュコダの最終組み立て工場を取材したが、フォルクスワーゲンで活用している生産工程を基本として、場内は整理整頓されてスムーズなライン作業が行われていた。
欧州内の大規模モーターショーに行くと、セアトとシュコダはフォルクスワーゲングループ展示でアウディなども併設されたブース内に陣取っており、フルラインアップモデルを実際に見て触ることができる。
欧州系のメーカーでは、ルーマニアのダチアもジワジワと人気が出てきたメーカーだ。日本ではほぼ無名かと思うが、ルノー・日産・三菱アライアンスの仲間である。もともとルノーに買収され、その後に日産との部品共通性が高まったことで、クルマとしての品質が上がった。車格としては、日産のダットサンに近い。日本円では100~200万円台のモデルが主流となる。