この記事をまとめると
◼︎GT-RやデリカD:5のように、長く売られているクルマには3つの理由がある
◼︎メーカーの象徴的モデルでもあるので、安易に生産を打ちきれない
◼︎大量に売れないモデルに限っては、コストを考えるとなかなか踏み切れない現状がある
ロングライフの理由にはセールス以外の問題もある
日産GT-Rの発売は2007年だから14年を経過する。同じ年に登場した三菱デリカD:5と並び、長寿モデルになった。なぜGT-Rなどは、フルモデルチェンジを行わずに10年以上も作り続けるのか。長寿の背景には、3つの理由がある。GT-Rを例に考えてみたい。
まずは売れ行きだ。GT-Rは2007年の発売時点で、1カ月の国内販売目標を200台に設定した。2008年までは達成していたが、2009年になると、1カ月の登録台数が50〜60台に下がることも増えてきた。
それでもGT-Rの需要は根強く、月販台数が10台を下まわることはない。発売から14年を経過した今でも状況は変わらず、2019年は1カ月平均で65台、2020年もコロナ禍の影響を受けながら55台を登録した。GT-Rだけを乗り継ぐ熱心なユーザーも多い。
このような需要に支えられていると、ユーザーは日産のオピニオンリーダーでもあるから、GT-Rを廃止するわけにはいかない。しかし海外の需要も下がり、多額の投資を行ってフルモデルチェンジするのも難しい。そこでほぼ1年に1回、改良を実施しながら作り続けている。