初代テラノには“新しい乗り物”だという印象を持った
さらにSUVっぽい車種では、ともに1980年代に出たジープ・チェロキーのXJ型と日産の初代テラノが思い浮かぶ。
XJチェロキーはジープがクライスラーに入る前に属していたAMC(アメリカンモーターズコーポレーション)が、当時AMCを傘下に収めていたルノーの力を借りて開発した車種だ。
ジープで初めてラダーフレームを持たないモノコックボディを採用したおかげで、当時のSUVとしては異例に背が低く軽かった。オンロードのハンドリング、オフロードの走破性ともに素晴らしく、僕もオーナーのひとりとして、いろんなシーンで楽しませてもらった。
初代テラノは弟が所有していた。こちらはダットサントラック譲りのラダーフレームを持っていたが、北米デザインスタジオの手になるフォルムは無骨さとは無縁。しかもエンジンは4気筒ディーゼルだけでなくV6ガソリンも投入。既存のジャンルに当てはまらない、新種の乗り物だと感じたものだ。
トヨタFJクルーザーも似たようなキャラクターだった。昔の40系ランドクルーザーをモダンに仕立て直したようなデザインはやはりアメリカ生まれ。一方フレームやサスペンションは当時のランドクルーザープラドと基本的に共通だった。
エンジンは4リッターV6。プラドより短くて軽いボディのおかげもあり、オンロードでの走りは軽快だった。でもオフロードではランクル直系の走破性を披露。中古車市場で高値安定というのも納得だ。