ETCの普及のさせ方もアメリカとは異なる
そのため、簡易カーナビとして、オランダのTomTomやアメリカのガーミンなど、比較的安価なPND(ポータブル/パーソナル・ナビゲーション・デバイス)の普及が先行し、車両組み込み型のカーナビは日本でガラパゴス化した。
ところが、2000年代後半から2010年代にかけて、グローバルでスマホが一気に普及したことで、日本でも若い世代と中心に車載ナビではなく、スマホナビが一気に普及。
さらに、欧州車ではメルセデス・ベンツを筆頭に、コネクティビティ技術への対応からディーラーオプションの後付けではなく、新車標準装備のシステムにカーナビが組み込まれる時代となった。
これによって、日本の後付け車載カーナビは、グローバルでみるとさらにガラパゴス化してしまった印象がある。
普及の時期がカーナビと並行したのが、ETC(自動料金徴収システム)であり、こちらも日本でのガラパゴス化の傾向がある。
たとえば、アメリカの場合、日本のようなデータを送受信できる車載ETCを別途購入するのではなく、受信専用の無料カードが道路事業者から供給されるという形でETCの普及が始まった。
別の視点で、日本の”逆ガラパゴス化”といえば、欧米、中国、東南アジアなどの多くの国で合法化されている、一般のクルマを活用したライドシェアリングが挙げられる。
そもそも全国各地に鉄道やバス、そしてタクシーなど公共的な交通網が充実している日本では、海外型のライドシェアリングは馴染まないと言われて久しいのだが…。
自動車のグローバルスタンダード化が進むなかでも、日本固有のクルマの装備や使い方が、まだまだ残っている。