オールペンの査定は下がる? 上がる?
疑問3 新車の塗装と補修用の塗装との差
自動車メーカーが新車の塗装に使う塗料は、熱硬化性樹脂塗料と言われるタイプ。一方、鈑金塗装屋が使う塗料は、二液性樹脂塗料。
新車用の塗料の方がクオリティが高いように思うかもしれないが、熱硬化性樹脂塗料のほうが、工場のラインでクルマを組み上げていくときの生産性に優れているだけで、耐久性や退色性に関して塗料の違いによる優劣はほとんどない。
差がつくのは下地と工程。
オールペンの値段も業者によってピンからキリまであるが、安いオールペンは、下地と工程を省いている場合が多い。下地がプアーだと、塗装の劣化が早くなる。表面がきれいでも下地がどうなっているのかはわからない。それがオールペン車の査定が低くなる理由にもなっている。
疑問4 結局オールペンしたクルマの査定は?
一般的に、オールペイントしたクルマは査定価格が下がるといわれている。上記のとおり、オールペンしたクルマは塗装の耐久性が読みにくいからだ。
しかし、オールペンや補修塗装を一切していないクルマでも、新車から20~30年も経てば、色は褪せ、クリア部がカピカピになってきたり、錆が浮いてくることもある。そうしたクルマよりは、きちんとオールペンしてレストアされたクルマのほうが査定は上がると考えていい。
またオールペンに関しては、ディーラーなどで下取りに出すと辛目に査定され、買い取り専門店の方が高く買い取ってもらえるケースが多い。中古車価格は、程度より人気(相場)の方がモノをいうので、オールペンしているから買い取りも安いと諦めず、その車種に強いお店を何軒か回って見積もりを出してもらうと、オールペンをポジティブに評価してくれるお店もあるはずだ。。
ただ一番大事なのは、リセールバリューよりも、自分が乗っているときにいかに楽しめるかということ。傷んできた塗装で我慢して乗るよりも、思い切ってオールペンに出して、お気に入りの色に塗って、きれいな状態でドライブしたほうが何倍も楽しいはず。手放すときのことを考えず、自分がオーナーでいる間のことを優先することをおすすめしたい。
良心的なお店なら、塗装補償をつける場合もあるし、どうせやるなら新車と同等クラス、レストアレベルでオールペンを頼むようにしよう。
そうすれば、査定のときもマイナスにはならないし、程度がよければプラスになることだってあるはずだ。