「エプリクス」に「パプリカ」に「アルジーナ」!?
代表的なもののひとつは「三菱エクリプスクロス」だろうか。カーマニアにとっては間違えようのない車名だが、そのへんのおっさんがしばしば「エプリクス」と言っているのを聞くような気がする。気持ちはわからんでもないが、大きな間違いである。
ベントレーが2009年まで製造していた4ドアセダン「アルナージ」も、「アルマージ」あるいは「アルジーナ」と読んでしまう人は多いだろう。まぁ興味がないモノに対しては人間、そんなもんである。
日本のモータリゼーション黎明期を支えた「トヨタ・パブリカ」を「パプリカ」と読み間違えるカーマニアはさすがにいないだろう。
だがモータリゼーションの歴史になど何の興味もない人からすれば、「パブリカ」という文字列が印刷されていれば「パプリカ」と空目するのが、米津玄師の影響もあって、当たり前といえば当たり前だ。またそのほか、書かれている文脈によっては、老眼が進んだカーマニアが「ブ」と「プ」を見間違える可能性はある。
ヴィッツが「ビッツ」、レガシィが「レガシー」と書かれてしまうのはよくある話だが、トヨタC-HRのことを「……C-HRだっけ? それともCH-Rだったけ?」と一瞬悩んでしまうことは、ここだけの話、私もたまにある。おそらくC-HRというクルマに興味がないのだろう(すみません)。
だがそれはそれとして、トヨタ VOXYが「ヴォクシー」なのに、同じトヨタのAVENSISが「アベンシス」なのは納得がいかないというか、「表記の揺れ」としてトヨタ自動車に抗議したい思いはある。
ここまでに挙げた車名のほかにも「興味がない人はまったく覚えられなかったり、間違えて覚えてしまう車名」というのはたくさんあるはずだ。しかしあいにく、いろいろと調べてみたが思い当たらない。これは、おそらくは「俺もいちおうカーマニアだから」ということなのだろう。わからない人の気持ちが、わからないのである。
だが――スバル車に乗ってはいるものの「スバリスト」ではない私は、相変わらず「スバル・インプレッサ WRX typeRA STi VersionII V-Limited」みたいな長いやつを、まったく覚えることができない。そのジャンルにはあまり興味がない……ということなのかもしれないが。