貴重なMTをリーズナブルに楽しめる魅惑のクルマがまだまだあった
3)スズキ・スイフトスポーツ:約60%
スイフトスポーツも、コンパクトなスポーティカーだ。直列4気筒1.4リッターターボを搭載して、サスペンションにはモンローブランドのパーツも使われる。
本物指向のコンパクトスポーツハッチで、6速MTの価格は、衝突被害軽減ブレーキなどを標準装着しながら201万7400円に収まる。6速MTの楽しい運転感覚を味わえて、価格も割安だから、登録台数を見るとスイフト全体の約45%をスイフトスポーツが占めている。
4)ホンダN-ONE:約50%
N-ONEで6速MTを選べるのはRSのみだがMT比率は高い。発売当初はAT(CVT)を含めて幅広いグレードが売れたが、最近はRSに特化される傾向が強まったからだ。
N-ONEはN-BOXと違って電動スライドドアなどを装着しないが、RSの価格は199万9800円に達する。割高だが、内外装は上質で走行安定性も優れている。上質なスポーティ感覚とMTの楽しさは親和性が高く、MT比率も増えた。
ちなみにアルトワークスやロードスターを含めて、コンパクトなスポーティカーは、峠道に乗り入れるとMTを操作する楽しさもタップリと味わえる。そのためにコンパクトなスポーティカーでは、Lサイズの上級スポーツカーよりもMT比率が高い。
5)ホンダ・シビック:35%
シビックはコンパクトな車種ではなく、ミドルサイズの5ドアハッチバックだ。エンジンは1.5リッターターボを搭載する。それでもMT比率は35%と比較的高い。
この背景には、MT搭載車の切実な事情もある。4名で乗車しても快適で、なおかつMTを選べるミドルサイズのセダン/ワゴン/ハッチバックは、シビックのほかには基本設計が古いマツダ6程度しかないからだ。カローラセダン&ツーリングやマツダ3にもMTはあるが、後席が狭いこともあり、MT需要がシビックに向いている。