ついにはCCXRで最高速度は400km/h超に!
2006年から2010年にかけて29台が生産された「CCX」を経て、ケーニグゼグが初めてオフィシャルに400km/hオーバーの最高速を主張したのは、2007年に発表された「CCXR」だった。また、CCXRは通常のガソリンでの走行のみならず、E85、E100バイオ燃料でも走行できるように設計されており、他社がまったくその分野には焦点を当てていなかったため、再び熱い視線がケーニグゼグに集中した。
そしてケーニグゼグの知名度を、さらに高める原動力となったのは、「アゲーラ」、「レゲーラ」、「ジェスコ」の3モデルだろう。
2010年にデビューしたアゲーラは、完全自社開発による(それまではフォード製をベースとしていた)5リッターのV型8気筒ツインターボエンジンを940馬力の最高出力で搭載するもの。
この時点で最高速は395km/hに達し、翌2011年の同ショーで発表された改良版の「アゲーラR」では、最高出力は1115馬力にまで向上している。2013年にはさらにマイナーチェンジが行われ、1140馬力仕様へとエンジンを強化。オーバー400km/hは確実に現実のものになると思われたが、実際にはタイヤの耐久性の問題でその計測は行われていない。
ちなみにアゲーラ・シリーズは2018年で生産を終了。その究極作ともいえるのは、2014年発表の6台が限定生産された「One:1」で、こちらは1360馬力の最高出力に対して1360kgの車重、すなわちパワー・ウエイト・レシオが「1」であることを意味する車名を掲げたモデルである。1360馬力が1メガワットに相当することから、ケーニグゼグではそれを「メガカー」と呼ぶことも多い。
2015年には80台限定でレゲーラが登場。エンジンは1100馬力までパワーアップし、さらに3基のモーターを搭載したプラグインハイブリッドとなり、システム合計最高出力は1500馬力を超えた。
その後、ケーニグゼグは創立25周年となる2019年にジェスコを発表。5リッターのV型8気筒ターボエンジンで、1360馬力超の最高出力を発揮する(E85燃料使用時)、やはりメガカーだ。車名のジェスコは、クリスチャンの父の名であり、メカニズムとしてはターボチャージャーにカーボンファイバー製の軽量なエアタンクを20個装備し、ここから排出される20barの圧縮空気をエアインジェクターからターボへと送り、ターボラグの解消やそれによるブーストアップを可能にしている。
自社開発の9速マルチクラッチトランスミッション(ライトスピード・トランスミッション)を新装備したことも話題だ。生産台数はすべての仕様をあわせて125台。すでにそのオーダーリストには多くのカスタマーの名前が記されていることは確かだろう。
2020年に誕生した初の4シーターモデル、「ジェメーラ」の存在も見逃せない。こちらは2リッターの直列3気筒エンジンに3基のエレクトリック・モーターを組み合わせ、じつに1700馬力の最高出力を得るというもの。
レベル2相当のADASも装備されるなど、GTとして、そして時には400km/h超えのハイパーカー並みのパフォーマンスを味わえるモデルとして、その魅力は大きい。生産台数は300台。
ジェメーラもまた、これからのケーニグゼグを支える、重要なプロダクトにほかならないのだ。