この記事をまとめると
■今トヨタにはC-HR、カローラクロス、ヤリスクロス、ライズの4種類の小型SUVがある
■それぞれの違いが明確にわからず、購入時に迷う人も少なくないだろう
■この記事ではさまざまな側面からこの4台を徹底比較する
後席の居住感覚の良さで選ぶならカローラクロス
トヨタのSUVは今、まさに選び放題だ。小さいほうからライズ、ヤリスクロス、C-HR、最新のカローラクロス、そしてRAV4、ハリアー、さらにはランドクルーザー・プラド、納車待ち数年という話題で持ちきりの新型ランドクルーザーの300系が揃う。つまり、コンパクトから大型まで9車種が用意されているのだ。カローラクロスの登場で、小さすぎず、大きすぎず、価格的にも買いやすい、日本の道、駐車環境にベストなコンパクト上位クラスにしても、C-HRだけでなくカローラクロスが選べるようになったのも嬉しいポイントだろう。
ここでは、そのなかから、C-HR、カローラクロス、ヤリスクロス、ライズという、100~200万円台で手に入るトヨタのコンパクトSUVの選び方を考えてみたい。
動力性能については、各クラス、キャラクターとして大きな不満が出るクルマはあるはずもないから、ここでは割愛(最新のカローラクロスが突出していることは間違いないが)。
で、まずはファミリーカーとして使う上でのパッケージングから比較したい。最初に言っておくと、C-HRは、開発陣自ら前席優先パッケージと説明するように、スタイリッシュな、カップル向けのクロスオーバーモデルというキャラクターだ。プリウス譲りのパッケージによって後席膝まわり空間こそ、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で(以下同)ここで紹介する4台のうち、もっとも余裕のある185mmだが、立体駐車場への入庫が容易な1550mmの全高、およびクーペのようなルーフラインによって、後席の着座感は沈み込むような感覚で、視覚的な広々感に欠けるのだ。
で、後席の居住感覚の良さで選ぶなら、さすがにボディサイズに3ナンバーの余裕がある最新のカローラクロスになる。頭上に90mm(ガラスルーフ装着車)はともかく、膝まわりには足が組める160mmのスペースが確保されるのだ。一方、ライズは同100mm、120mm、ヤリスクロスは同120mm、115mmとなる。
後席の着座感の良さ、立ち上がりの容易性にかかわるヒール段差=フロアからシート前端までの高さについても(高いほうが椅子感覚で座りやすく、疲れにくい)、ヤリスクロス360mm、カローラクロス350mm、ライズ350mmが優位で、ルーフの関係で後席の乗員をなるべく低く座らせなければならないC-HRは330mmとなる。
こうしたクロスオーバーモデルなら、アウトドアやキャンプを楽しむ用途にも使いやすい。そこでラゲッジルームの使い勝手についても比較してみた。