「自由な移動の提供」へ向けた新しい取り組み
このシステム、今では多くの人が持ち歩いているという「モバイルバッテリー」を使用したシステムで、ハンドル部に取り付けられた機械に、所有するモバイルバッテリーを接続することで、シェアサイクルのバッテリーを補助するというもの。また、接続中は走っていなくても、モバイルバッテリーから自転車側のバッテリーへ給電するので、自転車のバッテリーが減りづらいというメリットがある。このモバイルバッテリーを利用した装置により、「走行時の補助」と「自転車側のバッテリー給電」という2つが、モバイルバッテリーひとつで実現可能となる画期的なシステムだ。
モバイルバッテリーに求めるスペックは、現状では以下の条件を想定しているという。
出力 :45W
容量 :15000mAh
重量 :300g以内
形状:USB TYPE-C
モバイルバッテリー接続時は「モバイルバッテリー側」を優先的に使用するようプログラムされているとのこと。もちろん、モバイルバッテリーがなくても、通常の電動自転車としてシェアサイクルを利用できる。モバイルバッテリーは自転車用に用意する必要はなく、普段はPCやスマートフォンを充電する目的で使用して大丈夫だ。つまり、”ついで”に自転車でも利用できるということ。
ちなみに、今回はホンダとしては初めて特許庁の「スーパー早期審査」を利用してこのシステムに関する特許を取得したという。今後は、このシステムを利用したEVスクーターなどの開発も視野に入れていくとのことだ。
「シェアサイクル用2電源システム」は、ホンダの掲げる「自由な移動の提供」の実現へ向けた新しい取り組みだ。来年の試験以降の大幅な普及に期待したい。