現在は音を作ってあえて出している!
現在のウインカー機構は、電子回路で構成されるため、基本的には無音作動である。なお、点滅によるウインカーシステムが確立され始めた時代には、曲がり終えたら手動でウインカーレバーを中立位置に戻す作業が必要だった。この手間を省くために実用化されたものが、ウインカーレバーのオートキャンセル機構である。車両が向きを変えステアリングが中立位置に戻る際、その動きに連動して自動的にウインカーレバーを中立位置に戻す機構である。この機構の実用化により、ウインカーレバーの戻し忘れ(ウインカーが作動したままの状態)が事実上なくなったのである。
さて、ウインカーの作動音だが、ウインカーレバーのオートキャンセル機構が実用化されたことで、ウインカーの作動に関する問題はなくなったと言ってもよかったが、作動音にはドライバーにウインカー機能が働いてることを伝える働きもあった。これはハザードランプ作動時も同じだが、作動音がドライバーに注意を喚起するのである。
今も続く作動音だが、ウインカーやハザードランプが働いていることをドライバーに知らせる意味があり、使うならシンプルで耳に馴染んだものがもっともわかりやすいと考え、伝統的に聞き慣れた音、一種のウォーニング音にもなる、あの「カチカチ」という音が使われ続けてきたわけである。こう考えてみると、作動音が携帯の着信音のようなメロディーを持ったものでは耳障りかもしれないし、わかりやすく違和感がないという点では、やはり「カチカチ」という音が最適なのかもしれない。