ショーファードリブンなどは同乗者へのメリットも
理由 その3)操作系の問題
かつてのアルファロメオやアバルトなどは、右ハンドル仕様にしても、ブレーキのリザーバータンクは左のままで、ペダル&マスターシリンダーとリザーバータンクの距離が長いために、右ハンドル仕様のブレーキフィールがイマイチだったことがある。
国産車でもマツダのロードスター(NC)は、左ハンドル前提の設計だったので、右ハンドル仕様はクラッチのマスターシリンダーが右側=エキマニの直近になってしまい、サーキットを走るとクラッチフルードがベーパーロック現象を起こすことも!
その他、元が左ハンドル仕様のクルマは、サイドブレーキのレバーが助手席(左席)寄りだったり、微妙に使いにくいことがある。こだわる人は、こういうところが気になるのだろう。
理由 その4)ショーファードリブン
運転手付きの高級車、ショーファードリブンだと、クルマのオーナーやお客のVIPが乗降するとき、運転手が後席のドアを開け閉めする。そのとき、左ハンドルのクルマであれば、運転席からすぐに歩道側の後席のドアを開けられるというメリットがある。
理由 その5)レプリカ疑惑
右ハンドルが少ない車種で、右ハンドルに乗っていると、他人に「ひょっとしてレプリカ?」と思われてしまう可能性があり(?)、それを嫌って左ハンドルを選ぶことも!?
理由 その6)納期の問題
もともと生産台数が少ないクルマは、右ハンドル仕様をオーダーすると納期が長くなることがある。「左ハンドルなら納期が早い」といわれ、そちらをチョイスする人もいるだろう。
また限定車は左ハンドルオンリーというものもある。
理由 その7)好みの問題
最後は使い勝手の良し悪しなどではなく、個人の好みの問題。
なんとなく「このクルマには右ハンドルは似合わない」とか、歴代ずっと左ハンドルに乗ってきたからだとか、理屈ではないところにこだわるのもファン心理のひとつ。
高速道路の料金所もETCがあれば不便ではないし、これからも『これは』というクルマでは、左ハンドルをチョイスする人がいるだろう。