もっとも有名なカウンタックのドアはシザードアだった
そして、ガルウイングと間違えられやすいのがカウンタックだ。上に開くこと自体がスーパーカーブームでは衝撃的だったこともあり、とりあえずガルウイングと呼ばれたように思うが、よく見ると真上に開くのではなく、ドアの前端をヒンジとして前に上がることがわかる。これが「はさみが開いたとき」に似ていることから、シザースドアやシザードアと呼ぶのが正しい。
こちらはランボルギーニのアイコン的装備になっていて、カウンタック以降、現在に至るまでV12のフラッグシップモデルに採用されている。
ほとんどが外国車のなか、日本車で上に開くモデルとして、AZ-1と双璧をなすのがトヨタのセラだ。こちらもガルウイングと呼ばれるが、新車当時からあったが、正確にはバタフライドア。バタフライは「チョウチョウ」のことだが、開けたときにドア自体が上方かつドア全体が前を向くのがチョウの羽根に見えることからこの名前が付けられた。
セラのヒンジを見ると、ドア前方と上部の前側の2カ所にあることがわかる。つまり、上に開くドアの種類はヒンジの位置で判断できるともいえるだろう。
バタフライドアの採用はBMW i8やメルセデス・ベンツSLR、マクラーレン720Sなど、意外に多く、スーパーカー揃い。そのなかで小さなセラが採用しているというのが、トヨタの挑戦というかシャレが利いていたところだろう。