両車の印象は異なるも使いやすいカローラらしさはどちらも健在
販売の9割を占めているというハイブリッドモデルを走らせると、低速からの力強さはまずまず。シャシーはかなりドッシリとして硬質な乗り味で、フラットに突き進む感覚に溢れていた。骨太な感覚があり、ワインディングでもグラつくことなく走れ過ぎてしまうところが意外だった。対してフロアやフットレストあたりに伝わる微振動や突き上げがやや気になったが、これはタイでの悪路を想定して剛性を増したタイヤのセッティングによるところだと開発陣からのちにうかがった。また、停止寸前のブレーキを抜く方向の踏力コントロールに難しさがあったことは気になった。
そんなことを感じてしまうのはガソリンモデルが存在するからだろう。ブレーキコントロールのしやすさ、ハイブリッドに対して、フロント40kg、リヤ20kgも軽く仕立てられたことで、軽快さはかなり高く、さらにエンジンも高回転まで爽快に吹き上がる。SUVであっても軽快な身のこなしが欲しいというのであれば、コチラがオススメだろう。ハイブリッドに対する廉価版じゃなく、走りに振り切ったかに思える仕立が面白い。
最後にリヤシートにも乗ってみたが、ひざ前の空間に豊かさはないものの、背もたれを1段階リクライニング可能なことから、その状態にすれば頭上空間がユッタリと稼げているように思え、さほど窮屈には感じなかった。このリクライニングはわずか0.6度背もたれが倒れるだけなのだが、この機能は有難い。
今回の車両にはパノラマルーフが装備されていたが、一枚モノのガラスで構成されており開放感は抜群。前席よりわずかに高く座らされてくれること、さらには前述したようなサイドの開放感もあり、これなら景色もタップリ楽しめそう。
このように、どのシートに座っていてもその良さを感じられるカローラクロス。このクルマは、買いやすく使いやすいというカローラらしさが詰まっていると感じた。