速度域などを考慮して採用されている
一方の輸入車用のブレーキバッドは、NAO材にさらにスチール成分をプラスしたもので、純正の場合はその割合はだいたい30%以下となっている。これをロースチール材と呼び、配合割合がそれ以上になるとハイスチール材と呼ぶ。ちなみにハイスチール材が、チューニングバッドでよく言われるセミメタリックタイプとなる。
スチールを配合しているので、ローターに対して食い込む形となって、効きはよくなる。ローターも日本車より柔らかい素材を使用しているので、なおさらだ。ただ、パッドとローターが削れやすくわけで、これが大量のブレーキダストにつながっている。
一方で、鳴きやすくもあるし、やはり輸入車は速度域が高くて、しっかりと効くのを重視しているから採用している。いわゆる攻撃性が高いのでメンテナンスコストもかさむが、頻繁な交換を前提としているから、輸入車の純正パッドやローターは驚くほど安かったりする。
日本車は逆に鳴きはクレームになりやすいし、長寿命が優先される。速度域も低いので、攻撃性を高めてまで効きをよくする必要もない。このように棲み分けというか、採用の理由に違いがある。ただ、ロースチール材のほうがブレーキをかけたときのフィーリングはいいので、最近では走りにこだわる一部の車種ではあるが、日本車への採用も進んでいる。