この記事をまとめると
◼︎富山県朝日町の交通問題に博報堂とスズキが協力
◼︎日本初の「自家用車有償旅客運送」制度を利用
◼︎ドライバーとコミニュケーションが取れて評判はとてもいいという
「自家用車有償旅客運送」制度を利用した新しい公共交通サービス
富山県にある朝日町が、日本中で問題となっている「地域の高齢化」に悩まされている。「街までクルマでしか出れないが、クルマが運転できない」、「バスで出掛けてもあまり荷物を持ち帰れない」、「すぐ着かない」など、クルマがほぼ必須となっている地域でありながらクルマを利用できず、買い物などに行きづらく、生活に不便を感じている住人が多いという。
そんな朝日町の深刻な問題解決に立ち上がったのが広告代理店大手の博報堂と、ワゴンRやスイフトでお馴染みのスズキだ。「なぜ朝日町なのか?」という質問に対して博報堂は、「日本中に同じような問題に悩まされている地域が多くあったが、そのなかでも朝日町と我々の考えているビジョンが一致したために、この取り組みに協力した形となっています」と語った。
今回は、2020年8月から実証実験を続けていた公共交通サービスである「ノッカルあさひまち」の本格運行が10月12日より始まったとのことで、その式典が行われたのだ。
では、この「ノッカルあさひまち」、何が画期的かと言うと、国土交通省の地域公共交通関連制度である「事業者協力型自家用優勝旅客運送」を日本で初めて利用した例であるということだ。
前途した「事業者協力型自家用優勝旅客運送」がなんなのかというと、簡単に言えば「タクシー事業者でない一般人が、第三者を乗せて目的地まで連れて行くことができる」ということ。もちろん、運行するにあたりいろいろと細かい条件はあるが、クルマを利用する住人が、街に出る際に近所の高齢者などと一緒に買い物などへ出られるということを、街のサービスとして運用できるようになっている。
なので、ドライバーは自家用車を保有する地域住民からドライバーを募るという方式だ(朝日町の職員が運転する場合もある)。利用者はもちろん朝日町の住人だ。