この記事をまとめると
■流れるようなボディラインを持つクルマが近年増えてきている
■輸入車には綺麗なボディラインを特徴としたクルマが多い
■機能や走りで選ぶのもいいが、ボディラインでクルマを選ぶのも楽しいかもしれない
このボディラインってだけで買う価値あり!
横顔が美しい人の基準を「Eライン」と呼ぶそうですが、ご存知ですか? 1954年に歯科医のロバート・リケッツさんが提唱したそうで、横顔の鼻先と下アゴの突端部を直線で結んだラインのこと。人差し指を鼻先とアゴ先につけた時に、唇が指につかない・もしくは少し触れる程度が理想のEラインなんだそうです。
それと同じように、クルマのデザインもサイドから見た時のバランスがいいクルマが、美しいクルマと評されることが多くなっています。カーデザインアワードなどの選考基準を見てみると、フェンダーの抑揚、サイドのキャラクターライン、ルーフラインやウインドウの形などが、とても重視されていることが読み取れます。今回はそんな、ボディラインが美しいクルマ界の横顔美人たちをご紹介したいと思います。
1)ホンダ・シビック(現行型)
まず1台目は、フルモデルチェンジしたばかりのホンダ・シビック。2022年で初代の登場から50周年を迎える歴史あるモデルですが、この11代目はこれまでのどのシビックよりも美しいルーフラインと、エレガントなプロポーションを持っていると感じます。
シビックには、例えばゴルフが幅広のCピラーをずっと継承してきているような、初代から「ここが変わらない」というところはなく、その時代その時代の乗る人たちに合わせて変化してきています。この新型シビックは、生まれた時からインターネットが当たり前のように存在する「ジェネレーションZ」世代をターゲットにしており、本質的な美しさと、人がクルマに乗った姿を見て「このクルマは気持ちよさそうだな」と思えるように意識してデザインされたとのこと。
技術的にも、ルーフラインを低くしつつキャビンの広さは確保するように、バックゲートの付け根の部分を工夫するなど、いろいろな努力によって完成した横顔美人なデザインとなっています。
2)レクサス LC
2台目は、幸運が重なったことから生まれた奇跡のデザインだと言われている、レクサス・LC。このベースとなったのは、2012年のデトロイトショーで初披露されたコンセプトカー「LF-LC」で、量産化などこれっぽっちも考えられていないデザインでした。
そこから試行錯誤が繰り返されたものの、デザイナーさん自身、「これほどのデザインに量産化のゴーサインが出るとは思わなかった」と言っているほどで、ちょうどプラットフォームのリニューアル時期が重なり、デザインのために必要な要件を織り込むことができたのが大きな幸運だったとのこと。長いボンネットから小さく隆起した丘のようなルーフライン、そこから一気に断ち落とすようなリヤエンドという、かつてないほど美しいデザインが完成したのは、ほとんど奇跡だったんですね。
また、ラインの美しさだけでなく、サイドスクープのあたりでボディをぎゅっと絞り込んだ後に、リヤフェンダーを大きく張り出させているというような、絞りと張り出しのコントラストが効いているところも大きな特徴です。