この記事をまとめると
■スーパーカーは成功者の証といえる
■だが実際走らせるには結構な苦労がある
■実際にオーナーから聞いた苦労5つを紹介
スーパーカーを持てる年齢になると身にしみる辛さも
「水面に優雅に浮かぶ白鳥も、水面下では必死に脚をもがいている」
“見えない苦労”に関連して、しばしば言われるフレーズである。
たしかに世の中には、白鳥に限らず「余裕をぶっこいている人(あるいは動物)」などほとんどいない。余裕をぶっこいているように見えて、影ではほぼ必ず、何らかの必死の努力をしているのが人間または動物というものである。
そしてそれは「スーパーカーオーナー」においてもおそらく同じなのだろう。
富とパワーの象徴であり、車種によっては優雅でもあるスーパーカー。
そのオーナーは、たぶんだがお城のような戸建てまたは億ションに住み、仕事の実務はほとんど部下にやらせながら巨万の利益を得て、あり余る時間を使って夜の六本木などを、美人JDなどを助手席に乗せて優雅にクルーズする。とにかく甘美な毎日であり、人生楽勝モードである――というのが、一般的にイメージされる「スーパーカーオーナーの姿」だろうか。
……これらは確かにそのとおりな部分もあるのかもしれないが、スーパーカー乗りには「スーパーカー乗りならではの苦労」もまた多いものだ。
いや「多いものだ」と断言したが、本当は、詳しいことはまったく知らない。なぜならば、私はスーパーカー乗りではないからだ。
しかし、取材を通じてスーパーカーオーナーたちから「聞いた話」を総合するならば、おおむね下記のような「独特の苦労」はあるようなのだ。
苦労1「乗り降りがけっこうツラい」
大学在学中に起業し、24歳で億万長者に。そして25歳にしてマクラーレン765 LTスパイダーを購入した……なんて人であれば、まだ若いので身体は柔らかく、着座位置がやたらと低いスーパーカーに乗り降りするのもさして苦にはなるまい。
だが人間、40歳も過ぎれば身体の柔軟性は低下し、ついでに関節の節々も慢性的に痛かったりする。そしてスーパーカーオーナーというのは――もちろん一概には言えないが――40歳以上あるいは50歳以上のおっさんである場合が多いため、「乗り降りがじつはツラい」という問題には、多くのオーナーが(とくに運動不足系の人は)地味に苦労しているらしい。
ちなみに筆者の場合は、スーパーカーではないがロータス エリーゼの運転席に無理やり乗り込もうとして、1週間ぐらい腰の具合が悪くなったことがある。40歳頃の話である。
苦労2「駐車場を選ぶ」
スーパーカーで近所のコンビニまで缶ジュースを買いに行く人はいないだろうが、走っていれば、お腹が痛くなることもある。またタバコを吸う人であれば、手持ちのタバコが切れ、急きょどこかでどうしても買いたくなるときだってあるだろう。
そんなときに重宝するのが「コンビニ」なわけだが、スーパーカーの場合は「空いてさえいれば、どんなコンビニ駐車場にも入って行ける」というわけではない。
道路と歩道との段差が大きければ無理であり、スロープの傾斜角度がキツいだけでもヤバい。ギュルギュルと鳴るお腹をさすり、ベルトを緩めながら空いているコンビニ駐車場をスルーし、次のコンビニを目指すのだ。そして駐車場だけではなく「踏切」も選ぶため、目的地までの最短ルートを選べない場合も多いと聞く。