機能ではスバルを上まわるメーカーも存在
ただし、スバル・アイサイトのADAS機能がライバル他社を圧倒するほどの機能があるかといえば、そうとは言い切れない。
すでにホンダは限定的とはいえ自動運転レベル3を市販車に搭載しているし、高速巡行時のACC制御でいえばスバルを凌駕するようなメーカーもある。
もちろん、加減速でギクシャクしたり、減速タイミングが遅いためドライバーがドキドキしたりするようなメーカー、モデルもあり、依然としてスバルが高いレベルにあることは間違いないが、何はなくともアイサイトを選ぶほどの優位性があるとはいえないだろう。
ただし、ブランディングという意味でのアイサイトには、あいかわらずアドバンテージがある。少なくとも日本においてはADAS機能のことを「アイサイト的なもの」といった風に表現するユーザーは少なくないし、これまでアイサイトが実現してきた高いレベルのADAS制御を味わったユーザーは、他のメーカーに浮気する気が起きないだろう。
なにより日本でアイサイトがウケている理由として挙げたいのは渋滞時のスムースな走りだ。前述した加減速のなめらかさは渋滞でも健在で、イライラすることはない。
車線中央維持機能についても白線(区画線)が見えないようなシチュエーションでも先行車の軌跡から道の曲がり具合を予測して、スマートなハンドル操作をしてくれる。
道が順調に流れているときはADASを使わずに、自分で操作をしたいという走り大好きなドライバーでも渋滞は運転したくないと思うだろう。そうした機械任せにしたいシチュエーションにおいて期待以上の運転支援をしてくれることも、アイサイトの日本における高評価につながっているといえそうだ。