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GRの名は伊達じゃない! 新型ランクルGR SPORTの「最新技術」が圧巻の内容だった (1/2ページ)

GRの名は伊達じゃない! 新型ランクルGR SPORTの「最新技術」が圧巻の内容だった

この記事をまとめると

■トヨタの車両技術を象徴する存在であるランドクルーザーが300系に進化

■「最先端技術を投入した高い性能」という自信と自負が込められた「GR SPORT」を設定

■「GR SPORT」だけに世界初となる電子制御式ロールバーE-KDSSが採用された

ランクルはトヨタの車両技術を象徴する存在

 トヨタ・ランドクルーザーのステーションワゴンシリーズが、今年6月にフルモデルチェンジを受けて6世代目となる300系へと進化した。

 振り返れば、戦時中の日本陸軍のため、開発・納入を行った4輪駆動車AK10型車に端を発し、戦後1951年、警察予備隊(現陸上自衛隊)の制式車両に向けて開発が行われたトヨタの不整地機動用4輪駆動車トヨタジープBJ型は、商標の関係からジープの名称が使えないことになり、1954年にトヨタ・ランドクルーザー(以下ランクル)と名称を変更。同カテゴリーのライバル車がランドローバー(陸の海賊船)を名乗ったことに対し、トヨタはランドクルーザー(陸の巡洋艦)と対抗意識を示すネーミングを採用。

 ランクルは、実質70年の歴史を持つトヨタ車中最長のシリーズライフを持ち、世界的にもその存在が高く評価され、文字どおりトヨタの看板を背負ってきたモデルである。

 このことは、言い換えれば、レクサスシリーズとは別の意味で、トヨタの車両技術を象徴する存在であり、その高い性能を実現するためには、惜しげもなく最先端テクノロジーが投入されることも意味している。こんな視点で最新モデルの300系ランクルを眺めてみると、いたるところにトヨタの自負がうかがえる車両技術が盛り込まれていることに気付く。

 そもそもワゴンシリーズの300系には、ワゴンとしてのユーティリティを備えながら、同時に上質なクオリティ感、そしてオフロード4WDとしての高い基本性能、信頼性を持つことが求められ、見た目は上質な大型ワゴンでありながら、その実質は第一級のクロスカントリー4WDであることが宿命づけられたモデルである。それだけに、構成メカニズムにも最新、最高のものが投入されることになる。

 ランクルの基本性格、性能は、紛れもなくクロカン4WDだが、ワゴンとしての上質なオンロード性能も両立させなければならない。それに対し、ワイルドな外観、雰囲気を漂わせながら、4WD機構を備えることで一定レベルのオフロード走破性能を持ち、本来前提とする舗装路走行は当然ながら高いレベルにあるSUVモデルが台頭、支持されるようになると、ランクルもより安定、上質な舗装路性能によって対抗せざるを得ない状況となってきた。

 実際、クロカン4WDのオーナーでオフロード性能を重視する人がどれほどいるかは定かでないが、オフロード、ラフロードを走る層は確実に存在し、そのためにクロカン4WDを選択する市場が形成されている。

 場合によって、極端にμが低い泥濘路、数十センチの水深がある河川渡河、急勾配と大きな路面凹凸が組み合わさったガレ場走行など、大きな最低地上高やタップリとしたストロークでしなやかに路面凹凸に追従するサスペンション性能が必須となる一方で、ロールを抑え4つのタイヤをしっかりと路面にクリップさせ車体を安定させなければならない舗装路での高速旋回性能も実現させなければならない。

 オフロードとオンロード、この両者はまさに背反する性能同士だが、ランクル300系は、それを高いレベルで実現させなければならない宿命を背負ったモデルでもある。

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