この記事をまとめると
■好きなクルマを買って速さのために大金を使ってチューニングする人は多い
■トータルの金額でみれば最初から速い高額車が買えるケースも多数
■それでもチューニングを行う人の心理を解説する
気がつけば高額車が買えるほどの大枚を叩いていることも
スポーツカーを買って、さらに何百万もかけてチューニングする。そんなお金があったら、最初からもう1ランク速いクルマを買えばいいのでは、と思うかもしれないが、それではクルマ好き、チューニング好きの心は満たされない。
チューニングのココロは、速いクルマをより速く、あるいは車格が上のクルマと対等以上の走りを目指す、そして他人とは違う自分だけのクルマを作る、こういったところに集約されているからだ。
たとえば、量産車最速といわれる1000馬力のフェラーリSF90ストラダーレ アセット・フィオラノのオーナーなら、さらにチューニングしたいという人は稀だろうし、そもそも街のチューニングショップにSF90のチューニングを依頼する人はまずいない。存在自体が特別で、パフォーマンスも他車と比較するようなクルマではないからだ。
ところが、8月に完売となった「NISSAN GT-R NISMO」2022年モデルは、必ずチューニングするオーナーがいる。600馬力のパワーは変わらなくても、各部の進歩でGT-R史上最速のパフォーマンスは補償されているが、それでもフルノーマルで乗る人は意外に少なく、シートやホイール、吸排気系、コンピュータなどに手を入れる人は、一定数いるはずだ。
車体価格が2400万円以上でも関係ない。速いGT-Rをもっと速くしたい。300台超で予約を打ちきったといっても、他人と同じクルマでは面白くない、と思う人はチューニングせずにはいられないのだ。86/BRZやGRヤリス、ロードスターやスイフトスポーツだって根っこは同じ。