1度買えれば庶民でも乗り続けられる! 普通のクルマとは違う「スーパーカー」の価値と乗り方 (2/2ページ)

オーダーする権利を途切れさせないよう購入予約を入れておく

 じゃあ、なぜスーパーカー顧客は待てるのか? それはスーパーカーの魅力自体はもちろん、資金効率がいいからだ。スーパーカーの世界ではフェラーリでもランボルギーニでも、3年後の残存価値は新車時の約70%あるといわれる。

 実際には資産価値が目減りする前に、数カ月や早ければ数週間で次のスーパーカーに乗り換える人も多い。首尾よく売却して次のモデルに乗り換えればほとんど損はないか、フツーのクルマを購入所有していたのと変わらないコストでスーパーカーに乗れる。しかも月々のリース代は経費として計上し続けられる。

 だからスーパーカーは一度新車で乗ったら経費としては明朗会計、元本が一定の預託金のようなもので、次々と乗り換えるほどに資金効率的には安定している。開業医やフランチャイズの飲食店オーナー、医療法人や学校法人の幹部といった資本を回すのが仕事という人々には造作ないオペレーションなのだろう。必ずやオプションで飛び石を避けるノーズやボンネットの透明カッティングシートが用意されているのも、下取り時に瑕疵となるリスクを減らすため。

 しかも大体、乗り換える頃にはさらにエボった過激モデルとか限定モデルが登場しているものなので、そこで乗り換えておけばその先の売却益すら望める。だから、「次にもっといいの出るならオレんとこに枠カモーン」的な上顧客争いも生まれる。

 売却してトントン以上でも、手元がまたゼロに戻ったらオーダー待ちからやり直しなので、売却と次の納車の間に認定中古車を挟むのもよくあるパターンだ。距離を伸ばせないとか雨の日は乗れないとか、せいぜい高速道路の合流で一瞬のフル加速を試みるぐらいしかスーパーな瞬間は訪れないかもしれないが。

 いずれにしても納車された瞬間に下取り半額……などとされる並か並以下のクルマと、スーパーカーとの間には、資金効率面で隔絶のギャップが横たわっているのだ。

 だがフツーの人でも後者に手が届きそうといえる理由は、リースには審査が要るがため。要はお金もちであるより、お金を動かせるだけの信用とその動かし方を知っていることが肝心、という話だ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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