かつて主流の多数のライバル車を競わせる方法は効果的じゃない!
現金一括払いで購入するケースでは、前述したように値引き総額として提示してくるので、それをバラし、どこをメインに攻めていくか、攻めどころを絞って商談を進めて行くのが理想的であろう。いまどきは、下取り査定額にお客が希望する値引き条件の不足分を上乗せして全体の値引き条件をアップするのが主流となっている。メーカー希望小売価格からジャンジャン大幅値引きして販売すると、乱売しているとのことでリセールバリューの低下を招いてしまうからである。
「70万円引きも珍しくない」というアルファードであっても、メーカー希望小売価格からの値引きはそれほど荒れていない。購入時のオプション総額が100万円近くなったり、注文書1枚のオプション計上項目では足らずに、注文書が2枚になることも珍しくないほどオプション装着が多いのもアルファードの特徴。ディーラーオプションは総額からの20%引きが値引き目標となるので、オプションからの値引きもバカにならないのである。メーカーオプションについては、装着するとそれなりにメーカー希望小売価格からの値引きが多くなるケースが多い。そして、最後は下取り査定額の上乗せで調整されている。
いまどきは値引き交渉に“テクニック”というものは昔ほど必要ではなくなった。ライバル車5台ほどピックアップし、時間をかけて比較して競り合わすことで値引きアップを狙っていくひとはいまもいるが、セールスマンによっては「本命車種が絞り込めていないので、新車購入意思が固まっていない」と判断され値引き額を引き締めたり、やんわりとほかの所で買うようにと言われたりすることもあるようだ。
新車の販売現場の人材不足が深刻化し、店舗ごとの適正人数以下で販売ノルマを追いかける店舗がほとんどともされている。そのため、店舗やセールスマン個々へは効率的な販売活動が強く要求されているのである。そのため、短時間で結論が出そうなお客ほど好条件が出やすくなっているといっていいだろう。
いまどきはメーカーのウェブサイトが充実しているので、購入本命車種のみ、もしくは本命に加えせいぜい同メーカーの兄弟車ぐらいに購入希望車種を絞り込むこと。ボディカラー一覧もあるし、ウェブ上で、見積りシミュレーションもできるので、ウェブ上で希望車種や希望予算を絞り込むことも可能なので、本格交渉前に購入希望車種や予算などは絞路込み、あとはリアルワールドで最終調整するだけと考えてもらってもいい。
とはいっても、クルマへの興味も薄れている現状では、「10年以上乗っていて壊れたから」などを理由として新車購入の検討に入るひとのなかには長年新車を購入したことがないこともあるようで、どんな車種があるのか、最新トレンドはどうなっているのかなど、商談の前段階のことについて店頭で説明しながら商談を進めて行くことも多く、契約まで4から5時間かかることもあるというので、「早く結論が出そうだ」とセールスマンが感じれば、それだけで好印象を持たれ好条件が出やすくなるといのは、ある種自然な流れなのかもしれない。