この記事をまとめると
◼︎実用車のみならずスーパーカーブランドまでSUV市場に参入
◼︎スポーツカーやセダンまでSUVになりつつある
◼︎今後はユーザーがSUVに対して「なに」を求めるかが新車の方向性を決める
何でもかんでもSUV! メーカーの真意とは?
空前のSUV、クロスオーバーブームだ。何しろ日本が誇る国民車のカローラにクロスオーバーモデルがラインアップされ(ヴィッツの後継車となるヤリスにもヤリスクロスがあって大人気)、日本伝統のサルーン、クラウンまでもがクロスオーバー化されるかも知れないのが時代の勢いなのである。
実用車のクロスオーバーモデルなら、なんとなく時代を反映した設定としてわかりやすいのだが、世界を見渡してみると、スーパーカーのランボルギーニやマセラティ、スポーツカーのポルシェにも以前からウルス、レヴァンテ、そしてもはやポルシェの定番の1台となったカイエンがあり、アルファロメオにもステルヴィオというクロスオーバーモデルが用意される時代なのである。
国産車の過去を振り返れば、世界最高峰の燃費性能が売りだった先代アクアにもX-URBAN改め、最低地上高を170mm高めたクロスオーバーグレードがマイナーチェンジを機に追加されていたし、現行フィットにもクロスターという人気グレード、いや、もっともカッコいいフィットと個人的に思っている最低地上高160mmのクロスターが用意されているのだ(フリードクロスターもある)。
また、インプレッサベースのスバルXVのように、全車AWDとし、最低地上高200mm、フォレスター譲りのXモードを備えた、悪路走破性に優れた、ハッチバックモデル派生ながら本格クロスオーバーモデルへと進化している例もある。
それは軽自動車の世界にも波及し、元々、本格クロスカントリーモデルのジムニーと言った車種とは別に、アウトドアに似合うスペーシア ギア、タフトといった軽クロスオーバーモデルの人気も絶大だ。ただし、タフトは最低地上高190mmを確保しているものの、スペーシア ギアのように、最低地上高が標準スペーシアと同じ150mmのままの、なんちゃってSUV的なクルマも存在する。そもそも、VWのT-CROSS(ポロベース)のように、駆動方式がFFのみで4WDのない、ライトなクロスオーバーモデルも数多くあるのが実情だ。