この記事をまとめると
■小規模なメーカーを中心に他社製量産ユニットを搭載するスポーツカーがけっこうある
■イギリスのレーシングカーやスペシャリストの間では他社製エンジンの採用は一般的
■日本でも軽自動車やスポーツカー、レーシングカーで同様の手法がとられたことがある
他社製エンジンの搭載はイギリスでは昔から一般的な手法だった
日本のクルマは基本的に、ボディとエンジンは同じメーカーで作っている。英語表記が「●●MOTOR」となっている会社が多いことからも、自分でエンジンを作るのが当然という雰囲気だ。でも海外メーカーでは、そうではないクルマがけっこうある。
特にスポーツカーやレーシングカーのスペシャリストは、小規模の組織でエンジンまで開発するのは難しいことから、他社製の量産ユニットを使うことが多い。
たとえばF1では、今年10のコンストラクターが参戦しているが、エンジンを供給しているのは4メーカーで、ホンダはコンストラクターでの参戦ではないから、3分の2以上はシャシーとエンジンが違うことになる。
イギリス生まれのレーシングカーやスポーツカーは、むしろこの方式が一般的だ。現在もロータスがトヨタ、ケータハムがスズキなどのエンジンを積んでいるが、少し前にはマクラーレンF1にBMWのV12なんていう組み合わせもあった。
そんなイギリスでかつて重宝されたのがローバーのV8。レンジローバーなど自分たちの車両に採用されただけでなく、同じグループのMG、スポーツカースペシャリストのTVRやマーコスなどに積まれた。