速さアピールでもカッコつけでもなかった! ボンネットの「穴」や「コブ」の役割とは (2/2ページ)

うまく使えば強大なフロントダウンフォースが得られる

 そして空力デザインとしては、フェラーリF12ベルリネッタのエアロブリッジが有名。

 ボンネットの上を通る空気をボディーサイドに流し、空気抵抗を低減させ、ダウンフォースを発生。CFD(数値流体力学)で5000時間、風洞テストが250時間という本格的な設計で、時速200kmでの走行時に123kgのダウンフォースを発生させる。

 国産車でいえば、無眼がS660用に開発したカーボンエアロボンネットなども、大きなエアアウトレットを配置し、このダクトを全解放すると大きなフロントダウンフォースを発生させ、フロントタイヤの接地性がアップする。

 その他、ダクトではないが、パワーバルジなどの突起物もある。

 パワーバルジは、パワーアップのために追加した補機類などが、ボンネットに干渉しないよう膨らませたもので、ハイパワー車の象徴でもあった。

 ホンダのCR-Xやシティターボ、日産のフェアレディZ(Z33後期)やトヨタのレビン・トレノ(AE92 スーパーチャージャー)などのパワーバルジが印象的。

 なかには三菱のGTOのように、ボンネットの低さを優先したため、ストラットタワー(+電子制御サス)が収まりきれなくなって、ボンネットの左右に突起を設ける荒技を繰り出したクルマも……。

 普通なら凸凹などない方が美しいはずのボンネットの凸凹も、きちんと意味があるものだとパフォーマンスの象徴としてかっこよく見えてくるから面白い。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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