ユニークなマシンたちはファンには強烈なインパクトを与えた
そのほか、1997年のJGTCに登場した「ルノー・スピダー」もマニアックな1台で、エキュリー・シーフォがGT300クラスに投入した。同マシンはルノー・スポールが製作したワンメイクレース用車両をロードゴーイングとして市販化したマシンで、フロントウインドウのないユニークなマシンだった。
エンジンは2000ccの直列4気筒のコンパクトなユニットで、最高出力も250馬力程度だったが、900kgを切るライトウェイトを武器に抜群のフットワークを披露。デビュー戦となった第2戦の富士はフリー走行時にエンジンブローに祟られてそのまま戦線を離脱したほか、完走を果たした第6戦の富士も上位進出を果たせなかったが、JGTCの多様性を示すマシンとなった。
以上、JGTCを中心に印象的な3台を上げてきたが、このほかにも東京R&Dとイギリスのヴィーマックが開発した「ヴィーマック」が2002年から2012年にかけてGT300クラスで活躍したほか、オートバックス・スポーツカー研究所が開発した「ガライヤ」が2003年から2012年にGT300クラスで活躍。
ムーンクラフトが開発した「紫電」が2006年から2012年にかけてGT300クラスに参戦するなど、JGTC/スーパーGTでは小規模コンストラクターのオリジナルマシンが活躍したことは記憶に新しい。
さらに国産モデルにおいてもユニークなマシンがGT300クラスで活躍した。たとえば、2009年にデビューした「トヨタ・カローラアクシオ」は3500ccのV6エンジンをミッドシップに搭載したマニアックな1台で、2012年に3代目のZVW30が登場し、2016年からは4代目のZVW50が登場するなど二世代のモデルが活躍してきた「トヨタ・プリウス」も世界唯一のハイブリッドGTカーとして注目度の高いマシンと言える。
近年ではGT500クラスにクラス1規定、GT300クラスにFIA-GT3規定が採用されているものの、それでもGT500クラスはメーカー独自のマシン開発が可能であり、GT300クラスにおいてはGT300規定(旧JAF-GT規定)で開発されたオリジナル車両で参戦可能となっているだけに、今後もスーパーGTでは日本独自のユニークなマシンが登場してくるに違いない。