とりあえずSUV化ってあり? いま既存車種に「派生SUV」の追加が流行るワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■今あるプラットフォームなどを流用するのが新型SUVの設計では定石

■歴史のあるブランド名を流用することでユーザーを取り込みやすい

■今後シビックなどのクロスオーバーモデルが出る可能性が0ではないかもしれない

世はSUVの一大ブーム! 派生SUVたちは生き残れるのか?

 言うまでもなくクロスオーバーSUVはブームから定番そして主役へと、自動車市場の中で存在感を増し続けている。そしてSUVの新潮流といえるのが、既存モデルにSUVを追加するカタチでのラインアップ拡充だ。

 トヨタでいえば、プリウスとC-HRはプラットフォームやパワートレインといったアーキテクチャ的には共通しているが、名前もスタイルもまったく違うモデルとして開発している。このように開発資産をうまく利用して新車種を生み出すのが、SUVムーブメントの典型的なパターンだった。

 それが、いまでは変わり始めているというか、新しい流れが生まれてきた。ヤリスクロス、カローラクロスなど既存モデルの名前を冠した新しいSUVが登場してきている。こうしたモデルは外観イメージこそ既存モデルを受け継いでいるが、外観スタイルなどは完全に新規設計となっている。そこまで手間をかけるのであれば別車種として開発してもいいような気もするが、そうしないのが今のトレンドだ。

 一方で、ボディはそのままに車高アップやフェンダーモールなどの追加によってSUVテイストの新グレードを生み出すというケースもある。最近出たばかりの日産ノートオーテッククロスオーバーは、そうしたパターンの典型で、最低地上高を25mm高くするなどSUV的なシャシーに仕上げている。似たようなパターンは、ホンダにもある。フィットやフリードにSUVテイストの「クロスター」シリーズを用意しているのがそれだ。

 ヤリスクロスやカローラクロスのような展開については、輸入車でいえばミニクロスオーバーも似ている部分もあるが、これらは車種名そのものが持っている知名度を活かした商品企画といえる。カローラという、それだけでブランドとして認識されているほどのビッグネームを活かすことは、信頼性や安心感といった点で完全新規のニューモデルにはない部分を持つ。また、相乗効果によって、カローラ全体のブランディングとして考えたときにもメリットが大きい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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