大ヒット車の陰でひっそり消える悲しきモデルも! 月販二桁・三桁の「モテない」クルマの特徴4選 (2/2ページ)

数年後には人気になっている可能性もある!

3)時代が早かった

 3つ目の共通項は、ただただ残念な「時代が早かった」という時期尚早なモデルたちです。

 実際、2005年6月に発表して12月には販売終了となってしまったホンダ・エレメントや、2007年から2010年までと短命に終わってしまったクロスロードといったモデルたちは、新車当時は個性的すぎて販売がうまくいかなかったのに、時代の流れとともにやっとその魅力が理解され始め、そこに目をつけた人たちが飛びついて中古車価格がグンと上がったという状況。

 ゴッホの絵が、本人亡き後にようやく世間に認められたというようなことが、クルマにも起こりうるというのは興味深いところです。現在、マツダのMX-30もとても個性的で販売では苦戦していますが、何年後かに大人気となるような可能性もあるのではないでしょうか。

4)高級・上質という言葉が期待値を上げすぎている

 4つ目の共通項は、「高級・上質という言葉が期待値を上げすぎている」ということ。

 昔から、同クラスのライバルと比べて「ワンランク上」とか「高級車」などという言葉をCMやカタログで使うのはナンセンスと言われてきましたが……。すでに生産終了がアナウンスされたトヨタ・エスクァイアに、ややそんな印象を受けていた人もいるのではないでしょうか。

 ノアとヴォクシーがあり、中身は同じということはみんな知っていることなので、どちらかというと本当の高級感というよりは、小手先で高級感を演出しているように見えてしまったのかなとも思います。

 価格設定からしても、アルファード/ヴェルファイアのような高級感を出すのは難しいはずですが、買う側からするとそのレベルを期待してしまうという、その感覚のズレもあったのではないかと思います。

 ということで、時代の空気や景気、ライフスタイルや流行など、いろんな要素が奇跡的にぴたりとハマると大ヒットモデルが生まれる、そうでないとモテないクルマになってしまう。そんなことが見えてきたように思います。

 でも数年後に時代が変わり、いきなり脚光を浴びるクルマもいるのがとても面白いところ。今後も、クルマたちのモテ度に注目していきたいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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