タイヤにも「気象病」は起こる! 温度・湿度・標高で空気圧はかなり変化していた (2/2ページ)

空気圧の調整はできるだけ雨の日を避けたい

 その他、気象に関することでいえば、湿度の影響が非常に大きい。

 2021年の東京の平均湿度は、2月が49%に対し、9月は82%もある。

 これらの空気中の水分は、加熱されると水蒸気になるわけだが、水は空気よりも熱による膨張率がとっても大きく、水分は気化すると体積が1700倍にもなってしまう。

 そのため、世界を転戦するF1では、開催地の天候、気温、湿度の影響を最小にするために、タイヤにはドライエアを充填して対策をしている。

 その変化量のおよその目安だが、水分の混じった普通の空気の場合、気温が15度上がると約13%空気圧が高くなり、15度下がると空気圧も約13度低くなる。そして乾燥させた空気=ドライエアを入れたタイヤでは、気温が15度上がると、空気圧は約9%上がり、15度下がると約9%空気圧が下がる。

 したがって、空気圧を調整するときはできるだけ、雨の日を避け、湿度の低い時間帯に行なうのが理想。

 もっともコンプレッサーのメンテナンス=タンク内の水抜きなどが疎かだと、元も子もないかもしれないが……。

 というわけで、タイヤの空気圧は気温、標高、湿度に大きな影響を受けるわけだが、乗用車でシビアに考えすぎるのも不自由なので、タイヤメーカーが推奨するように、車両指定空気圧を基準とし、0~+20kPaの範囲内に合わせるのが、適性空気圧と考えるといい。

 クルマのタイヤが空気圧に依存する割合は90%といわれていて、指定空気圧より少々高い分にはデメリットは気にならないが、指定空気圧より低いのはかなりネガティブなので、やはり月に一度は空気圧を点検・調整し、どの季節でも指定空気圧を下回らないように気を配ろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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