ホンダの小型普通車でもっとも売れているのはフリード
ホンダの小型/普通車でもっとも多く売られた車種は、コンパクトミニバンのフリードだ。フィットは需要をN-BOXに吸収され、フリードを下まわった。軽自動車の届け出台数に、コンパクトなフリード+フィット+ヴェゼルの登録台数を加えると、国内で販売されたホンダ車の80%を超える。
2021年上半期の5位メーカーは日産で、もっとも多く売られた車種はルークスだ。先に挙げたN-BOX、スペーシア、タントと同様、全高が1700mmを上まわるスライドドアを備えた軽自動車になる。このスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプは、軽乗用車全体の50%以上を占める。そのためにスズキ、ダイハツ、ホンダ、日産の販売1位も、すべてスーパーハイトワゴンとなった。
日産の小型/普通車ではコンパクトカーのノートが1位だ。本来ならルークス以上に売れて良い車種だが、半導体の不足なども影響して、売れ行きが伸び悩んだ。
2021年上半期の6位はマツダで、もっとも多く販売された車種はマツダ2(旧デミオ)であった。今のマツダはSUVに力を入れるが、マツダ2は価格の割安なコンパクトカーなので、同社の最多販売車種になった。
7位はスバルで、もっとも多く販売された車種はレヴォーグだ。インプレッサの設計が古くなり、レヴォーグが少し上まわった。レヴォーグは今では少数になったステーションワゴンで、日本向けに開発されたから全幅は1800mm以下に収まる。ワゴンの需要が集中して販売も好調だ。
8位は三菱で、軽自動車のeKシリーズがもっとも多く売られた。注目されるのは、小型/普通車の1位がデリカD:5になったこと。デリカD:5は、ミニバンでは悪路走破力がもっとも高く、外観もSUV風だ。全長が4800mm以下のミニバンでは、3列目シートの広さと居住性は1位になる。
さらにミニバンでありながら、クリーンディーゼルターボを用意するなど、唯一無二の特徴が多い。販売店では「デリカD:5は発売から14年を経過したが、販売は好調だ。デリカD:5は高く売却できるので、3〜5年ごとに何台も乗り替えるお客様が多い」という。