日本も次はクラウンSUVか? エクスプローラーにタホにデュランゴなど「バカッ速SUV」が主流の北米パトカー事情 (2/2ページ)

シボレー・タホにダッジ・デュランゴも!

 GMでもセダン系ポリスカーはなく、メインはフルサイズSUVとなる“タホ”ベースのモデルとなる。一般的なパトカーともいえるPPV(ポリス パトロール ビークル)と、SSV(スペシャル サービス ビークル)がラインアップされている。PPVでは5.3リッターV8 OHVを搭載し、駆動方式は2WD(FR)もしくはAWDが選択可能となっている。

 20インチの専用タイヤ、強化ブレーキ(ブレンボ製)、強化バッテリーなど、ヘビーな使用に耐えうる装備のほか、自動ブレーキやレーンキープアシストなど、安全運転支援デバイスも充実している。コラムシフトではなく、ダッシュボードに備えられたボタンでシフト操作するようだ。

 ステランティス傘下のFCA(フィアット クライスラー オートモビルズ)では、唯一セダンタイプのポリスカーをラインアップしている。FRセダンとなるダッジ・チャージャーをベースとした、“DODGE CHARGER PURSUIT(PURSUITは追跡という意味)”がそれだ。

 エンジンは2タイプあり、3.6リッターV6ペンタスターエンジンはAWDとなり、5.7リッターV8 OHVとなるHEMIエンジンはFRとなっている。8速ATが組み合わされ、シフト操作は民間向けチャージャーでは設定のないコラムシフトとなる。防弾ドアパネルの採用など、警察活動向けならではの装備もアピールされている。

 FCAでは、このほかミドルサイズSUVとなる“デュランゴ”ベースのポリスカーもラインアップしている。エンジンラインアップはチャージャーと同じで、3.6リッターV6ペンタスターと、5.7リッターV8 OHVとなるHEMIとなるが、駆動方式はともにAWDのみとなっている。コラムシフトというよりは、日本でいうところのインパネシフトとなっているようで、“省スペースながら操作性は良い”としていた。また、どんな装備かは未確認なのだが、“ステルスモード”というのも採用されているようである。

 FCAがセダン型として、ダッジチャージャーベースのポリスカーをラインアップしているが、筆者が現地で見た限りトレンドはSUVベースのポリスカーとなっている。最近は派手なカーチェイスを展開するハリウッド映画は少なくなっているが、これからはSUVのポリスカーが、カーチェイスやカーアクションでメインとして、当たり前のように登場してくることになるだろう。

 日本の国費調達のパトカー規格はいまだに“クラウンありき”となっているが、そのクラウンも、今後はクロスオーバーSUVになるといった情報が飛び交っている。日本もアメリカのようにSUVのパトカーが当たり前のように街なかを走るようになるかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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