右側車線を完全に追越専用車線と捉えることはできない
しかし、一般道で右側からの追い越しが徹底されているような印象はなく、また通行帯違反を取られたという話もほとんど聞かないだろう。なぜなら一般道というのは右折が可能になっているため右側車線を完全に追越専用車線と捉えることはできないためだ。
右折禁止でない限り、二車線道路の右側車線から右折して路地に入ったり、店舗の駐車場に入ったりする行為は禁じられていない。つまり右折しようとするクルマは自ずと右側車線を走ることになる。その際、「追い越し目的でないから通行帯違反だ」というわけにはいかないことは自明だ。
また、右折待ち状態で一時停止している車両を左側に車線を変えて抜いていく行為も問題ない。結局、一般道というのは交差点以外の右左折が存在するため、基本ルールであるキープレフトと右側追い越しを厳密に適用することは不可能なのだ。
右側に出口が存在する首都高速道路でも、そうした判断は同様だ。追い越し目的ではなく、出口やジャンクションに向かうために右側に車線変更をする必要がある。
そのため首都高速では追越車線という概念はなく、あくまで右側の車線という認識になると主張する人もいるようだ。
とはいえ、キープレフトが基本であって、右側に出口などがないシチュエーションにおいては左側に車線変更をして追い越しをするというのはNGといえる。マイペースで走りたいクルマはキープレフト、すなわち左側車線を走るのも基本だ。
また、本当に大事なのは交通ルールを守ることは大前提として、スムースな流れを阻害しない運転をするということだ。「道交法は違反していない」と言って、独りよがりな運転をしてしまうことがないように気をつけたいものだ。