ある時期の日本のモータリゼーションを牽引していた3代目
3代目コロナはアメリカをはじめ世界各国へ輸出されたが、アメリカ市場でも高い評価を受けることとなりヒット。トヨタ製乗用車としては初めて、いまどきで言うところの「グローバルモデル」となったのである。そこを狙っていたかのように、ニュースリリースやカタログでは、”国際感覚”や”世界トップレベル”といった言葉が目立っていた。当時撮影されたハリウッド映画を見ていると、街なかで路上駐車や走っている3代目コロナが映っていることもよくあり、人気が高かったんだろうなあとは筆者も思っていた。
当時のスタイリッシュセダンであったコロナセダンをベースに、1965年7月には日本初となる2ドアピラーレスハードトップが、また同年11月にはこちらも日本車では初めてとなる、5ドアセダン(ファストバックモデル)が追加設定されている。
さらに、1967年8月にはコロナ・ハードトップをベースに、1600㏄DOHCエンジンを搭載したトヨタ1600GTも発売となっている。
こうやって、3代目コロナの系譜を見ていくと、日本のモータリゼーションはまさに3代目コロナがある時期けん引したかのようにも見える。3代目コロナでは乗用車だけでなく、ライトバンやピックアップトラックまでもラインナップしており、また、セダンはタクシーとしても活躍しており、商用車や営業車としても大活躍していた。
なお、フロントまわりのデザインから連想したようで、「バリカンコロナ」という愛称がつけられていた。
まだまだこれから日本自体が経済成長を続けていくという、日本全国が元気いっぱいななかで登場した意欲作といえる3代目コロナ。登場から57年目を迎えるいまでも、リアルタイムでは見ていない年代のひとたちに対しても強い存在感を放っているので、テレビCMでいまも使われているのかもしれない。