登場が早すぎたがゆえに迷車化したクルマも
3)エルグランド ロイヤルライン
今でこそ、ミニバンがVIP御用達になっているが、そのはるか昔にそこに着目したのもまたオーテックジャパンだった。
元祖高級ミニバンの初代エルグランドをベースとして1998年にリリースされたロイヤルラインは、エルグランドの広い室内を4名乗車としたまさにVIP仕様。
フロントシート後部には大型のキャビネットが備わり、専用のデスクや収納、オーディオにテレビ&ビデオデッキなどが備わっており、最適化された遮音材や専用チューニングのサスペンションを採用するなど、快適性にも力が入れられていたのだった。
ちなみにこのロイヤルラインは、現行エルグランドにも「VIP」と名前を変えて設定されている。
4)シルビア スタイルA
オーテックが手掛けたシルビアといえば、専用チューニングが施された「オーテックバーション」や、電動のメタルトップを備えた「ヴァリエッタ」などが知られるところだが、2000年にリリースされたスタイルAは新たな切り口でシルビアを楽しもうというものだった。
そのテーマは大人のエレガントであり、タンカラーの本革シートや、タンとブラックで塗り分けられたインストルメントパネル、そして専用デザインのフロントバンパーやテールランプといったところが大きな変更ポイント。
この仕様はターボ、NAともに設定され、MTとATどちらも選択可能となっていたが、果たして何台くらいが世に送り出されたのだろうか?
5)キューブ/キューブキュービック トラビス
今ほどクロスオーバーSUVという言葉が浸透していなかった2003年に、コンパクトカーのキューブとキューブキュービックに設定された「トラビス」は、アクティブなSUVテイストをプラスしたまさにクロスオーバーSUVモデルだ。
ワイルドな印象を与える専用バンパーやオーバーフェンダー、サイドシルを備えた外観と、汚れに強く防水性に優れたシート素材を採用した専用シートなど、アクティブに使いたいユーザーにはピッタリの装備を多く備えていたのだが、まだクロスオーバーSUVブームが来る前のモデルだったこともあり、そこまで話題とならなかったのが非常に惜しい1台だった。