■生産終了したものの根強い人気を誇る車種
エスティマ(ESTIMA)
-中古での価格帯(3代目)
10万円〜350万円
-特徴① リムジンのような広大な後席
3代目エスティマはノア、ヴォクシーやアルファードが左右跳ね上げ式を採用しているのと違い、7人乗り仕様の3列目シートが床下に格納できる。それゆえ3列目を畳むと2列目席のロングスライドが可能となり、広大な2列目シートが楽しめるのだ。
-特徴② スタイリッシュなボディ
ミニバンはどうしても室内空間の広さを優先するために四角い箱形になりがちだが、エスティマはボンネットからフロントウインドウまでがなだらかに傾斜するデザインを採用。ミニバンではめずらしいスポーティな雰囲気をもっている。
ウィッシュ(WISH)
-中古での価格帯(2代目)
20万円〜200万円
-特徴① セダンやワゴン的な乗り味
ウィッシュは、たとえばSクラスのシエンタでも1700mm弱の全高と背の高いミニバンが多いなかで、セダンなどのクルマに匹敵するような走行性能を目指して作られたミニバンである。3列シートで乗車定員は6or7名でありながら、全高は1600mm以下におさえて安定した走りが味わえるのだ。
-特徴② ヒンジ式スイングドア
ミニバンのほとんどがリヤドアにスライド式を採用するなか、ウィッシュはヒンジ式のスイングドアを採用している。耐久性の面ではスライドよりも有利といわれているのだ。
-アイシス(ISIS)
-中古での価格帯
5万円〜170万円
-特徴① 左側のセンターピラーレス
ミドルクラスのミニバンとして登場したアイシスは、乗車定員7人乗り。リヤドアはミニバンに多いスライド式を採用していたが、左側のみBピラーがドアに内蔵されている形式をとっているため、フロントのスイングドアとリヤのスライドを開けると、広大な乗降スペースが登場する。
-特徴② 長寿車
アイシスは残念ながら1代限りで消えてしまった車種となる。ただし一般的には5〜6年程度のモデルサイクルが多い国産車において、2004年の登場から2017年の終了まで13年間フルモデルチェンジなしで販売され続けてきた。
■トヨタのミニバン、結局どれがおすすめ?
-ミニバンならではの広さを味わいたいならアルファード
前述したとおり、アルファードはいま高級車としてのポジションも担っている。もともとが大柄なボディで室内空間が広いために、ゆったりとくつろげる車内であるが、そこに2列目シートは4タイプを用意。とくに7人乗りは、1番下のリラックスキャプテンシートでも十分豪華であり、上に行くに従って飛行機のビジネスクラスのようなシートとなる。これは他のミニバンでは味わえないものだ。
-街乗りで走りやすいのはシエンタ
トヨタは明確にミニバンをクラス分けしている。日本は狭い道も多く、広さの面で駐車場事情が厳しいこともあり、ボディサイズの小ささはそのまま使い勝手に繋がる。シエンタは空間効率を追求し、室内にしっかりと人が乗れる容量ながらもボディが小さく、また運転席からの視界も優れるために街乗りがしやすい。買い物先での駐車でも困ることは少ないだろう。
-子育て中のファミリー層ならノア
トヨタのミニバンでバランスに優れるのはノアだ。大人7人乗りも十分にこなせるシートの広さ、アレンジした際のラゲッジ容量など、ユーザーを選ばないモデルといえる。それでいて子育てファミリーにオススメしたいのは、まず室内高である。シエンタが1280mmであるのに対し、ノアは1400mmもある。つまり小さい子どもなら立たせて着替えさせるなどの行為が可能なのだ。アルファードも1400mmあるが、外遊び後の子どもを乗せることなどを考えれば、アルファードの高級さは少し気を遣ってしまう。販売チャネル統合を受けてヴォクシーやエスクァイアのグレードが絞られてるため、予算に応じてノアを選択するのがいいだろう。
-高齢者がいるならシエンタ
シエンタの2WDモデルは2列目席に乗り込むとき、地面からフロアまでの高さが330mmしかない。加えてステップがなくフラットフロアのために高齢者でも乗り降りしやすいのだ。家族の人数にもよるが、4〜5人で高齢者を含むなら、シエンタが使いやすい。
-走りにこだわるならノア・ヴォクシー
ノアとヴォクシーにはGR SPORTというグレードが用意されている。これはトヨタがメーカー自ら行ったチューニングモデルともいうべき車種なのだ。専用大径アルミホイールや専用のハイグリップタイヤ、さらには専用エアロなど外観からして標準モデルとは一線を画す。さらに専用スポーツブレーキパッド、専用チューニングサスペンション、車体下の剛性アップパーツなど、本格的に走行性能をアップしている。
■総合的な観点での編集部おすすめはアルファード
記事執筆時点で、アルファードは凄まじい売れ行きを誇っている。2021年1月〜6月の登録台数ランキングでは、ヤリス、ルーミーに続く3位という数字なのだ。高額車としては珍しいといえるだろう。その理由としては、アルファードに統合されると噂されるヴェルファイアのグレードが縮小されたために購入者が流れてきたこともあるが、販売店の値引きが大きいこと、残価設定ローンでの残価が高いといった、お得感もあるという。大柄なボディは運転しづらい、駐車場問題があるなどという人以外は、せっかくミニバンを買うならアルファードの最上級な空間を楽しむというのもありだろう。
■まとめ
冒頭にも述べたがトヨタはじつに多彩なラインアップを揃えるメーカーで、現行モデルでも今回挙げた6車種が揃う。ただし何度か述べたように、現在販売チャネルが統合され、車種整理が進んでいくため、まもなくシエンタ、ノア、アルファードの3車種になる可能性がある。それ以外の車種がどうしても新車で欲しいというなら早めに動いてほしい。