実用での総合力では日本の軽トラが他を圧倒
軽トラに近い形のクルマとしては、電動ゴルフカートを改造したベンチャー企業の製品や、イタリアを中心とした小型貨物車や小型トラックのメーカーがいる。
だが、価格と品質、さらには四駆による走破性など、実用での総合力では日本の軽トラのポテンシャルは他を圧倒する。
それがたまたま25年ルールなど、一部の法規制の緩和によって輸入する業者が増えることで、新たなる需要が呼び起こされたのではないだろうか。
さらに話を海外からの軽自動車全体に対する見方に振ると、軽自動車は「ジャパニーズ・マイクロカー」と呼ばれ、多彩なモデルラインアップ、高性能、さらに価格がリーズナブルであるとして「ジャパニーズ・ミラクル」という認識がある。
軽の基本技術については、スズキがインド市場の小型車に応用するケースはあっても、軽トラを含めて軽をそのまま海外輸出するという方法をとっていない。
だが、アメリカでの軽トラ人気で分かるように、ジャパニーズ・ミラクルを海外で事業化できる可能性も否定できないはずだ。
スズキの鈴木俊宏社長は「ワゴンRスマイル」のオンライン記者発表会の際、筆者の質問に答える形で、将来のEV化を含めた軽の電動化は必須であるとした上で、日本国内のみならず海外での事業展開も考慮する必要があると指摘した。
軽EVトラックが世界各国に走り出す日は、そう遠くないのかもしれない。