運転席だけでなく助手席・後席もリラックスできる空間に
上質にするための貪欲な対策は、明らかに結果を生んでいると思えるものだった。完全停止はブレーキ操作が必要だが、それまでは概ねアクセルだけで速度コントロールができるe-POWERならではの世界観も相変わらず。街乗りを快適にこなせる作り込みはなかなかだ。
その上でオプションではあるがBOSEパーソナルプラスサラウンドシステムを準備したことは面白い。ヘッドレストスピーカーを前席に装備し、音の広がりを感じさせてくれるそれは、これもまたコンパクトカーとは思えぬ贅沢なもの。
センターコンソールにあるアームレストと、ドアに備わるアームレストの高さが絶妙に同じ高さで、リラックスできる運転席や助手席にいると、そこはまるでコンサートホールのようなリラックスできる空間になる。
対してリヤは、ドアにあったスピーカーは排除されており、その空間がそのままなのは残念だが、リヤシートに座っていたとしても意外と音の広がりを感じられた。
まるで上級セダンかと思えるほどの仕上がりがありつつ、一方で街中での取りまわしのしやすさなどをきちんと備えていることが、最後の駐車スペースで感じられた。そこは8台くらいが止められる狭い駐車場で、一番奥だけが開いている状況。大きいクルマなら、表通りからバックで入れたいところだが、コンパクトクラスだし試しに頭から突っ込んでみるかとトライしたのだが、そこでノートオーラはなかなかの取り回しだった。切り返すこともなく、すんなりと頭を駐車スペースに入れたのだ。
実はベースモデルの最小回転半径は4.9mで、ノートオーラのそれは5.2mだから、きっと一度じゃ入れないだろうと踏んでいたのだが、アラウンドビューモニターの見やすさや、障害物が近づいた時の警告音が絶妙であり、躊躇することなく突っ込めたのだ。
もちろん、このあたりはベースモデルに分があるだろう。だが、前述した高速安定性をはじめ17インチのタイヤ&ホイールを採用したことによるメリットも大きいのだから目をつむれるのではないだろうか?
日本車にはなかなか存在しなかったプレミアムコンパクト。ノートオーラはその世界を見事に達成できた一台だと思う。これならダウンサイジングユーザーにオススメだ。