V12エンジンのみを駆動力とする最後のランボルギーニ
限定車、派生車の話に戻ろう。アヴェンタドールの後期型、SVJをベースに、さらに高性能化が図られたのが「SVJロードスター」だ。これは500台の限定車として発表されたが、アメリカ、とくに西海岸では高い人気を博している。
そしてこのSVJロードスターをベースに、ランボルギーニはさらに63台の「SVJ63ロードスター」を製作。限定車のさらに限定車という、さすがはランボルギーニらしいコンセプトの1台として注目を集めたことを記憶している。
アヴェンタドールからの派生モデルとしては、ランボルギーニ50周年の2013年に披露された「ヴェネーノ」(3台のクーペのほかに、のちに9台のロードスターが作られた)や、クーペ、ロードスターの各々が20台製作された「チェンテナリオ」、そして2019年に発表された、バッテリーにスーパーキャパシタを採用した、PHEVモデルの「シアンFKP37」などがある。
また、ランボルギーニのカスタマーレース部門であるスクアドラ・コルセからも、「SC18アルストン」、「SC20」、「エッセンサSCV12」などのモデルが誕生しているが、これらはいずれもランボルギーニのレース活動によるノウハウが詰め込まれたモデル。エッセンサは40台の限定車として販売される予定となっている。
約10年間に及ぶアヴェンタドールの歴史。その中で我々はずいぶんと刺激的なランボルギーニの世界を味わってきた。そのラストモデルは、先日モントレーで発表された「LP780-4ウルティメ」。
久々に車名からダイレクトに、780馬力の最高出力と4WDの駆動方式をイメージすることが可能なラストモデル。生産台数はクーペが350台、ロードスターが250台の限定となる。ランボルギーニの最後の自然吸気V型12気筒エンジン搭載車。600人の選ばれしオーナーは、まさに幸せの一語に尽きるに違いない。