カローラクロスの顔が海外と違うのは「カワイイ」がイヤだった? カローラマニアが「アメリカ仕様」の日本導入を望むワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本にてトヨタ・カローラ クロスがデビュー

■そのルックスは先に発表されていた海外仕様とは異なっていた

■この記事では差別化された理由や違いについて解説する

海外仕様がデビューすると「可愛い」との声があがった

 ついに日本国内でもトヨタ・カローラ クロスがデビューした。しかし、フロントフェイスはそれまでにデビューしていた、タイをはじめとしたASEAN諸国やアメリカ仕様となどとは異なり、直前にチラホラと話題になっていたように、いまのところは日本専用といっていい別の顔つきを採用している。

 なぜ日本だけ顔が違うのか、筆者が海外メディアのカローラ クロスへの評価記事に目を通してみると、なかには「顔つきは某愛玩犬に似ていて可愛い」というリポートがあった。その記述に目を通してから、改めてグローバルモデル(日本以外ということ)の顔つきを見ると、日本で表現するところの「カワイイ!」とまではいかないが、筆者の頭にも、ある愛玩犬の顔がイメージできた。

 海外においてクロスオーバーSUVの人気が高いのはみなさんもご承知のとおり。筆者が海外で女性に聞いた限りでは、SUVで気に入っているところは、ドライビングポジションが高いことにより、見下ろすような姿勢で運転できること、またアグレッシブデザインのモデルが多いことにも注目していると語ってくれた。

 日本で“女性向け”といえば、とにかくボディサイズが小さくて、内外装を可愛く作り上げたものとなりがちだが、海外では逆にカテゴリーにこだわらずに、アグレッシブなキャラクターを持つモデルが好まれると聞いたことがあるので(ボディサイズもある程度大きいほうがいいという女性もいる)、メディアに“可愛い”と批評されるのは、ある意味“皮肉”のようにも聞こえ、メーカーとしては心中穏やかではなかったのかもしれない。そのため、たまたま日本仕様が登場するタイミングで、新しい顔つきとなったのかもしれない。

 そのため、この顔つきも、市場の縮小傾向に歯止めのきかない日本のためだけにわざわざ専用フェイスを与えるべくコストをかけるというのはあまり考えられない。

 今後登場予定の中国市場ではカローラの生産は合弁会社のひとつ一汽豊田(FAWトヨタ)で生産されるので、グローバルフェイスのカローラ クロスは一汽豊田で生産され、日本仕様の顔つきのモデルはもうひとつの合弁会社である広汽豊田(GACトヨタ)で、カローラ  クロスの兄弟車として生産されるかもしれない。現にカローラセダンでは、日本仕様のナローボディではなくグローバルボディとなるが、一汽豊田でカローラが生産され、広汽豊田では兄弟車のレビンが生産されている。

 筆者は30数年間カローラセダンに乗り継いできている。カローラツーリングやスポーツを認めないことから、“カローラ原理主義者”とも呼ばれているが、あえて筆者が世界各地でデビューしているカローラ クロスのなかで購入してもいいかなと思ったのは北米仕様である。その理由は以下のとおり。

 まずは、これはアメリカだけではないが、エクステリアがグローバルデザインであること。いまだに世界各地で販売されている世界戦略車となるカローラではあるが、先代の国内仕様はヴィッツベースということで、車名以外はグローバルモデルとはなんら共通点はなく、カローラフリークの筆者としてはまさに“暗黒の時代”と呼んでいい日々を送っていた。

 日本の現行モデルのセダンは、ぱっと見はグローバルセダンと共通にも見えるが、全長及びホイールベースが短く、全幅の狭い“ナローボディ”となっていた。ただ、見た目が基本的に同じであり、インパネまわりも共通デザインとなり、質感が先代モデルより大幅にアップしたことで総体的な満足感は高い。それなのに、日本仕様のカローラ クロスのフロントフェイスは専用デザイン(いまのところ)。「なぜ、グローバルモデルと共通ではないのだ」と思わず叫んでしまった(やっぱり“可愛い”といわれたからなのだろうか)。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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