この記事をまとめると
■アメリカ市場の方が日本市場よりはるかに売れている車種がある
■軽自動車がアメリカにはないが故にセダンなどが親しまれやすい
■アメリカ優先になるのは、日本に比べて需要がはるかに多いからだ
アメリカがあったからこそ成功したクルマたちを振り返る
なぜアメリカなのか? 新型Zや新型BRZ/86のワールドプレミアがアメリカで行われたことに、改めて疑問を持つ日本のユーザーも少なくないだろう。アメリカ優先になるのは、アメリカでの需要が大きいからにほかならない。
近年の日本市場は、約4割が軽自動車という、他の仕向け地と比べて大きな違いがあり、乗用車でも欧米や中国同様にSUVシフトが進んでいるとはいえ、ミニバンの存在感が大きいという状況に変わりはない。そんななか、日本よりもアメリカで大きく育った日本車にはどんなものがあるのか、そのいくつかをご紹介しよう。
まずは、シビックだ。周知のとおり、ホンダがグローバルで一流自動車メーカーとして認知されるきっかけとなったのは、1972年登場の初代シビックのアメリカ市場での好意的な受け止めだ。
それから時は50年近く流れ、日本でも11代目シビックがハッチバックとして登場し、2022年のタイプR登場を待ち望む声が大きい。
一方、2020年度の販売台数で見ると、日本の8800台に対して、アメリカはなんとその約30倍の25万3000台も売れている。
アメリカでは80年代以降、C/Dセグメントセダンが市場の中心で、その中での王道といえばホンダはシビックとアコード、そしてトヨタはカローラとカムリだ。こうしたセダンモデルが年間30万台前後も売れ続けてきたのがアメリカ市場の特徴である。とくに、シビックについては、日本国内発売が一時中断していることもあり、アメリカで育ち続けている日本車の代表格と言えるだろう。