この記事をまとめると
■ホンダが自動運転実現に向けた実証実験を開始
■自動運転車両には「クルーズAV」を使用
■自動運転モビリティサービス事業の国内展開を目指す
車両にはボルトを改造した「クルーズAV」を使用
ホンダはGMクルーズホールディングスLLC(クルーズ)、ゼネラルモーターズ(GM)と共同で、自動運転モビリティサービスの実現に向けた実証実験を、2021年9月中に開始する。
すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供すること、また世界中の一人ひとりの「移動」と「暮らし」の進化をリードすることを2030年のビジョンに掲げたホンダ。
これらの実現に向けた新価値・新サービス・新事業を創出し、発展させるため、2020年4月にモビリティサービス事業本部を設立。ホンダの手の内でできるサービスの一元化、ホンダのサービスを他社サービスの協業により拡大、これまでの業界の既存に置き換わる新しいサービスを実現するという3つの方向性を定めて推進している。
この実証実験の開始は、ビジョンに近づく大きな一歩となるだろう。
自動運転の技術実証は栃木県宇都宮市芳賀町において行われる。流れとしてはまず地図作成車両による高精度地図の作成を行ったあと、自動運転車両「クルーズAV」の公道走行に移行。そして日本の交通環境や法令などに合わせた自動運転技術を開発・検証する。
ホンダとクルーズが共同で開発作業に取り組むとともに、栃木県のホンダ施設内に拠点を新設して技術実証を行っていくという。
将来的にはクルーズ、GM、ホンダが共同開発している自動運転車両「クルーズ・オリジン」を活用した自動運転モビリティサービス事業の国内展開を目指しており、その事業運営はホンダモビリティソリューションズ株式会社が担う予定だ。
ホンダモビリティソリューションズは、ホンダの多様なモビリティサービスを企画・運営するために設立された事業運営子会社。自動運転モビリティサービス事業の実現を軸にアセットビジネス、シェアビジネス、ビヨンドマス事業に取り組んでいる。
なお、事業パートナーであるクルーズはGMの子会社であり、GMの電気自動車「ボルト」を改造した「クルーズAV」で日々、自動運転車両の走行テストを行なっている。アメリカ・カリフォルニア州での年間走行距離は約120万kmで、うちドライバーの介在はわずか4.5万kmに1回程度だという。
ホンダは自動運転モビリティサービスを通じて、「移動」と「暮らし」の新価値の創造を目指していく。