もう新車で買えるのが「最後」になる可能性大のクルマも!
3)三菱デリカD:5
自動車評論家だけでなく、アウトドア派、キャンプファンから絶大なる評価、信頼を得ている三菱デリカD:5も、プロが絶賛しているにもかかわらず、売れ行きはいまひとつの1台だ。何しろ、2021年1-6月の販売台数ランキングでは37位。1月平均、1396台しか売れていない。
が、2019年2月、デビュー12年目にしてほとんどフルモデルチェンジに近いビッグチェンジを行って以降のデリカD:5は、それまでの”ミニバンの皮をかぶった本格SUV”という、世界唯一無比に近いキャラクター(ベースはアウトランダーだ)、実力はそのままに、前後エクステリア、インパネ、シート表皮を始め、トルクアップしたエンジン、8速ワイドレンジAT、パワーステアリング、足まわりなどを一新。さらに先進安全予防技術のe-Assistをついに標準化。ブラインドスポットモニターや後退時車両検知警報、マルチアラウンドビューモニターなどまで用意。
しかし、驚かされるのはその走りの進化。山道ではパワーステアリングが劇的に軽く扱いやすくなり、とにかくサイズや車重を感じさせない軽快感のある賛否両論な乗り味に大変身。アクセルと新パワーステアリングのレスポンスの向上も走りやすさに大きく貢献し、箱根のタイトなコーナーの連続でも安定感・安心感たっぷりにスイスイ駆け抜けられる走りの劇的進化が実現している。
乗り心地はリヤダンパーのサイズアップもあり、荒れた路面や段差を見事にいなし、フラット極まる快適感さえ手に入れているのである(とくに2列目席)。
車内の静粛性も向上し、基本的に搭載されるディーゼルエンジン特有のこもり音こそ認められるものの、先代と比べれば、ずいぶん静かで洗練された走行空間になった印象なのである。今、大ブームのSUVの3列シート仕様とは別格の3列目席の実用性、本格クロスカントリーモデルに匹敵する、アウトドアやキャンプにも最高・最適な1台なだけに、もっともっと売れてもいいと思えるのだが……。
4)ホンダ・オデッセイ
このほかにも、年内で生産が終了するとアナウンスされており、国産ミニバン最高の走行性能を持つミニバンの皮をかぶったスポーティカーと呼べるホンダ・オデッセイも、かつての人気は今はなく、寂しい限りだ。
が、自動車評論家の評価の高さは低重心パッケージを生かした走り、2列目席のプレミアムクレードルシートのかけ心地の良さ、3列目席が床下に収納できることで得られる大容量ワゴン的に使えるパッケージングなどにまで及ぶ。
3列シートの多人数乗用車とスポーティカーを1台で手に入れられる、プロも絶賛するミニバンなど、おそらくこれが最後かも知れない。新車で手に入れるなら、今しかない!!